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あの時、バスは止まっていた

山下 洋平:著者

高知「白バイ衝突死」の闇

◎ジャーナリスト 大谷昭宏氏推薦
白バイは“黒バイ”か
地方局記者が執念で迫る

「これです」
被告の支援者が数枚の写真を取り出した。
路面には黒々とした二本の筋。
裁判で有罪の決め手となった、スクールバスの「ブレーキ痕」だ。

「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」

――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。
バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。

香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。
同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。
男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
事件が発生した高知県のマスコミは、どこも耳を貸してくれない。
藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。

この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。
法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。
本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ!

◎テレビ朝日『報道発 ドキュメンタリ宣言』の放送で大反響!

【目次】

序 章

第一章 事故は作られたのか
お別れ遠足
八カ月後のブレーキ痕
目撃者は二十七対一
裁判官の「助け舟」
「罪を憎みます」
勝利のサイン

第二章 証拠が嘘をつく?
交通事故鑑定人
動機はあった?
バス実験
おたまじゃくしの作為
まさかの即日結審

第三章 真実はどこに
動き出した生徒たち
控訴審判決
責任逃れ
高裁の存在意義
交通部長の議会答弁
白バイの速度は?

第四章 もう一度、審理を
広がる支援の輪
いざ最高裁へ
長男からの贈り物
事故二年目の決断
「組織的な捜査を」
もう一つの裁判

第五章 それでも、証拠は動かない
上告棄却
記者へ逆質問
異例の説明会見
「横滑り論」
長女の決意
残された日々
葬り去られた調書
カウントダウン
「行ってきます」

第六章 動き出した時計
表情の変化
妻に宛てた手紙
一条の光
二度目の不起訴
反撃ののろし
あの場所へ、もう一度
ヒラメ判事と謀略事件
そして、第二幕

あとがき

【著者】山下 洋平
KSB瀬戸内海放送記者。1979年高松市生まれ。2003年東京大学文学部卒業後、KSB瀬戸内海放送入社。高松本社、岡山本社で警察、司法、行政を担当。2007年8月から高知白バイ衝突死事件の取材を開始。同局で継続的に報道しているほか、テレビ朝日の報道番組でも全国放送される。

定価:1,650円(本体1,500円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2009年11月17日(火)
  • ISBN:978-4-7973-5389-1
  • サイズ:46判
  • ページ数:256
  • 付録:-

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