これまでのところわれわれは広大な宇宙のなかで孤独な存在である。しかし、太陽系の外におびただしい数の惑星が発見されているいま、「もう1つの地球」が見つかる日まであとわずかだ。そこにははたして生命体が誕生しているのか？ すべての謎にいま挑戦する。

第1章 ほんのわずかな”ふらつき”も見逃すな！
階層構造
ピーター・バンデカンプ
惑星からのサイン
ドップラー効果で惑星を見つけられるか
絶望宣言
ペガサスが舞い降りた夜
ドクター・デス

第2章 系外惑星の素顔
系外惑星の発見相次ぐ
150光年彼方の”太陽系”
星と私の間に－トランジット法の登場
系外惑星の素顔にせまる
巨大なおたまじゃくし
冥界をつかさどる星
ジュピターからスーパーアースへ
ドップラー法でスーパーアースからアースへ
トランジット法でスーパーアースへ
ハビタブルゾーン
ゴルディロックスと3匹のくま
奇妙な惑星

第3章 生命を宿す惑星をもとめて
海をもてる惑星、もてない惑星
プレートテクトニクスの効用
生命を宿す惑星の上限質量
スーパーアースは居住可能か？
地球の双子を探す
直接観測で大気を検出する
惑星の顔色
青い惑星は生命の証となるか？
スペクトルの中の指紋
宇宙共通のメガネで見ると

第4章 宇宙から生命へ
バチカンとアストロバイオロジー
自然発生の否定と新たな生命起源の問題
われらは星の子
オーガニックな命
宇宙空間の有機分子
「はやぶさ」と小惑星
パンスペルミア
アミノ酸のキラリティ
舞台と時計

第5章 物質から生命へ
生と死に境界はあるか
生物化石をどう見分けるか
生物と非生物
トンネルの向こう側とこちら側
生命誕生の時期
化学進化
がらくたワールド
トップダウンの研究
人工生命の誕生
試験管の中の”生物”
全生物の共通祖先をよみがえらせる
超好熱菌を使った細胞工場
祖先は常温菌だったのか
プロジェノート
エネルギーのあるところに生命あり
熱水噴出孔がなぜ重要か
チムニー全体がプロジェノートだった
一発屋生命からエネルギー革命へ
最古の生態系の痕跡をもとめて
宇宙での生命誕生のシナリオは？

第6章 ふたたび空へ
先駆者が歩いた道
水、そしてメタンの発見
MELOS（ミロス）計画
どんな火星生物でも検出可能か？
2つの方法を組み合わせる
一気に遅れを取り戻す
系外惑星では得られないもの
ヒ素を食べる生物？
地球外知的生命体の探査
知的生命体はサインを送っているか
タンパク質1個だって誕生しない

■著者：
サイエンス・ライター。東京理科大学理工学部物理学科卒業後、お茶の水女子大学理学研究科物理学専攻修了・修士。物理の世界に魅了される一方、実社会を見てみたかったので一般企業に就職。しかし、むしろ大学を離れてから科学と社会とのかかわりに関心を持ち、科学ジャーナリストに。とくに科学の面白さを豊かな文化として多くの人が享受できる方法を模索しています。単行本の執筆のほか、講演も行っています。現在、文部科学省 科学技術・学術審議会 地球観測推進部会臨時委員、海洋開発分科会臨時委員。「瀧澤美奈子の科学ニュース・ナビゲーター」（http://www.t-linden.co.jp/science/）で科学ニュースの配信を行っている。おもな著書に、『地球温暖化後の社会』（文藝春秋）、『植物は感じて生きている』（化学同人）、『深海の不思議』（日本実業出版社）、『ふしぎナゾ最前線！ 深海にひめられた地球の真実』（旺文社）、『読んで納得！図解で理解！「ものをはかる」しくみ』（新星出版社）、『ポケット図解「物理」は図で考えると面白い』（青春出版社）、『光の大研究』（PHP研究所）などがある。