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[Si新書]科学でわかる男と女になるしくみ

麻生一枝:著者

ヒトの性は、性染色体だけでは決まらない

男と女はどれくらい違っていて、どれくらい似かよっているのでしょうか。そして男女の違いは、どのように生まれるのでしょうか。 大ヒットした前作に続き、男と女の心と性のさまざまな疑問について、科学的なデータをもとにわかりやすく解説していきます。

第1章 心の性を決めるもの
1 心の性
2 心の性はいつ、どんな要因によって決まるのか?
3 女の子として育てられたペニスのない男の子
4 もう2人の「ディビッド・ライマー」
5 ペニスなしで生まれてきた男児の性自認
6 子どもはどのように自分が男か女かを認識するのか?
7 マネー仮説と社会的背景:仮説はなぜ受け入れられたのか?
コラム セックスとジェンダーの違い
コラム ハワイ大学よもやま話

第2章 心の性の発達のしくみ
1 ほ乳類の性分化のしくみ-どのようにオスやメスの体や脳ができるのか
2 性分化の臨界期
3 ヒトの脳の性分化の臨界期
4 ヒトの脳の性分化と男性ホルモン
5 男性ホルモン感受性がなかったら脳は女性型
6 男性ホルモン感受性の低い男の子の「心の性」
7 男性ホルモンの多い女の子の「心の性」
8 男でも女でもない心
9 インターセクシュアルの治療:手術は大きくなってから
10 性同一性障害の人々は、心と体の性の一致しない人々の一部
11 性同一性障害と性分化のしくみ
12 性指向:異性愛・同性愛・両性愛という言葉の限界
13 「なにが原因で異性愛者になるのか」は重要な疑問
14 ほ乳類の「性指向」の性分化のしくみ
15 完全型アンドロゲン不応症の女性の性指向
16 先天性副腎過形成の女性の性指向
17 なにが原因で同性愛になるのか?
18 見つかっていない「ゲイ遺伝子」
19 一卵性の双子:片方は同性愛でもう片方は異性愛
20 「胎児期のホルモンによる性分化」のどこに遺伝的要因は収まるのか?
21 心の性や性指向は、生まれる前に100%決まるのか?

第3章 男女差の発達:生まれと育ちと
1 男女の違いは、男女の平均の違い
2 男と女、どれだけ違って、どれだけ似てる?
3 成人男女の能力差より大きい、子どもの遊び方の性差
4 子どものおもちゃの好みと胎児期の男性ホルモン
5 遺伝的には男の子でも男性ホルモンが働かなかったら?
6 サルのおもちゃの好みもオスとメスで違う
7 男の子と女の子の差が大きくなる幼児時代
8 男っぽい子はさらに男っぽくなる?
9 子どもの描く絵にも男女差がある?
10 子どもの描く絵と男性ホルモン
11 共感能力と男性ホルモン
12 システム化する能力と男性ホルモン
13 高度な認知能力も男性ホルモンに関係するのか?
14 なにを回転するかで縮まる心的回転能力の男女差
15 「女は数学ができない」という固定観念で得点は下がる
16 見るコマーシャル次第で試験の得点は変わる!?
17 見るコマーシャルで文系・理系のチョイスも変わる!?
18 見るコマーシャルで専攻や職業のチョイスも変わる!?
19 男女の生物学的違いと男女平等

第4章 さまざまな体の性
1 ヒトの体の性はさまざま
2 男女の体つきの違い
3 性腺:精子をつくる精巣・卵子をつくる卵巣
4 男女の内性器と外性器
5 4つの体の性:性腺、内性器、外性器と第2次性徴の性
6 4つの体の性がそろっていない人もいる
7 世界陸上2009ゴールド・メダリスト、セメンヤ選手の場合
8 インターセクシュアルって、どんな人々?
9 遺伝的女子が中間型や男型の外性器をもつこともある
10 遺伝的男子が中間型や女型の外性器をもつこともある
11 遺伝的には男でも女性の人もいる
12 500人に1人の性染色体はXYでもXXでもない
13 インターセクシュアルは性分化疾患?

第5章 体の性の発達のしくみ
1 2段階で進むヒトの胎児の性分化
2 ヒトの胎児が男と女に分かれ始めるのは、いつ?
コラム 人工妊娠中絶の時期と胎児の発達度合い
3 精巣や卵巣の「素」をもっている受精から6週目の胎児
4 内性器のできるしくみ:男女両方の内性器の「素」をまずつくり片方を消す
5 内性器の性分化に関わる男性ホルモンは2種類
6 2つの男性ホルモンの働きで男の内性器ができる
7 2つの男性ホルモンが「ない」と女の内性器ができる
8 男女の外性器のできるしくみ:男と女の外性器も受精から7週目までは同じ
9 精巣(睾丸)は腹部から陰のうまで下りてくる
10 男女の生殖器官のできるしくみ:まとめ
11 さまざまな性が生まれて不思議ではないヒトの性分化のしくみ
12 ホルモン変換酵素の欠乏が原因のインターセクシュアル
ゲべドセス:12歳でできるペニス

■著者:麻生一枝
横浜生まれ。お茶の水女子大学理学部数学科卒業、オレゴン州立大学動物学科卒業、プエルトリコ大学海洋生物学修士、ハワイ大学動物学博士。専門は動物生態学、動物行動生態学。守備範囲は広く、基礎生物学、生態学、動物行動学、生物統計学、科学英語をこなす。2011年10月より、長浜バイオ大学英語専任准教授。著書に『科学でわかる男と女の心と脳』(サイエンス・アイ新書)、訳書に『実データで学ぶ、使うための統計入門 データのとりかたと見かた』(南條郁子氏との共訳、日本評論社)がある。学生とのやり取りをこよなく愛し、教えるのが大好き。趣味はカラオケ。滋賀県長浜市在住。

定価:1,048円(本体952円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2011年12月16日(金)
  • ISBN:978-4-7973-6210-7
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:216
  • 付録:-

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