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刊行に寄せて – 渡辺雅央(2Dファンタジスタ)『入門ゲームプログラミング』

2014.02.02
対象書籍
入門ゲームプログラミング

渡辺 雅央 2Dファンタジスタ 代表

出版社から本書籍の概要と日本国内で出版される事を聞かされた時、思わず「こういった本が欲しかった!」と一人で興奮状態に陥りました。専門学校にてゲームプログラム講義を行っている立場の人間として、ゲーム制作に必要なゲームエンジンを現場で求められるレベルのプログラム技術を学生に満遍なく伝えていく事にそれをサポートしてくれる存在としてこの書籍はとても重要な本になると確信しています。
2Dゲームの典型的なつくり方、ゲームにおけるC++言語の利用方、DirectXの使い方、サウンド、ネットワークやゲームエンジンの構成と設計など、全てをまとめて学ぶ事ができるテキストが存在していないのは学生に対してゲーム制作の講義を行う上で頭の痛い問題だったのですが、本書のおかげでその問題にも対処ができそうです。
C++言語はPC及び家庭用ゲーム機でのゲーム開発においてとてもよく使用される言語であり、オブジェクト指向プログラミングを行うのにほどよい使い心地を持っています。極めようとするととても奥の深い言語ですが、幅広く普及している言語ですので、C++言語を理解しておく事はゲームプログラマーとしてゲーム会社に就職する際にもとても大きな武器となります。
DirectXはWindows環境で2D、3Dのグラフィックを扱う為のライブラリであり、ゲームでグラフィックを描画する際にどのような原理・手順で描画されているのかを理解する為にもしっかりと理解していて欲しいライブラリです。また、ゲームの制作を進めていく際にはゲームをつくっていくための環境としてエンジンと呼ばれるプログラムの集合体を用意する事もありますが、いざ自分自身でゲームエンジンを制作しようとするとどんな機能が必要で、どのようにクラス設計し、どう実装していくのかが非常に難しいのですが本書ではエンジンの一つの形を示し、それを理解していく事でゲームエンジンに必要な機能と構成を学ぶ事ができるようになっています。
2Dゲームというゲームプログラム学習初期にとても適切な題材を用いながら、数学、当たり判定、キー入力、パッド入力、サウンド、ネットワークといった必須事項がゲーム制作の形をとって説明されており、本書を通して学ぶ事はとても楽しい道のりではないかと想像しています。
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本書を通してどのように学習を進めるのがよいのかを少し具体的に書いておきます。
本書で使用されているC++コーディングスタイルはC++入門者からすると多少難しい部分もあるとは思いますが本書での解説で物足りない、不安な部分はぜひ他のC++書籍も参考にしながらC++への理解を深めてください。
2Dゲームとゲームエンジンの解説書ですので自分の好きな章から読み始めるよりは、まずは最初の章からしっかりと読み進め、実際に自分でプログラムを入力しながら理解を深めてください。
決して読んだだけで理解したと勘違いしないようにしましょう! 実際にプログラムを自分で入力できるようになって初めて「理解した」と言えます。途中で理解が追いつかなくなった場合はどうか落ち着いて焦らずにまた最初から読み直しましょう。以前は理解できていなかった事を理解できている自分にも気付け、自信を取り戻しながら学習を進めていけると思います。半年から1年かけてしっかりと学ぶべき内容が本書籍には詰め込まれています。どうか焦らずに、しかし確実に読み進めていきましょう。
本書は所々に多少ハードルとなるようなポイントが存在します。皆様が普段よく遊ぶゲームでもプレイヤーの成長を試すために中ボスが存在するように壁にぶつかったとしても焦らずに勉強を重ね経験値を貯めていきましょう。本書がボロボロになるまで繰り返し読みましょう。忘れてしまう箇所、なかなか覚えられない箇所もあると思いますが何度も読み、繰り返しプログラムを入力する事で皆様の血肉となります。
私自身もゲームプログラマーを目指している時は、何度も大切な事を忘れ、覚えきれず、才能の無さに落ち込みながらも勉強を重ねていきました。そんな私でさえゲームプログラマーになれたのですから本書のような良い書籍と出会えた皆様にはもっと大きな可能性が待っていると思います。
今現在、素晴らしい高度な技術を使いこなしているウィザード級のプログラマー達にもテキストだけのプログラム、2Dグラフィックでのプログラムを覚え、バグと戦い、基礎を固めていきながらゲームプログラマーへの道を歩んでいた日々があった事を
どうか覚えていて欲しいと思っています。
この書籍でゲームプログラムを学んだ皆様が作るゲームが世に出て、多くの人を楽しませるが来る事を楽しみにしています。
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2Dファンタジスタ
代表
渡辺 雅央
大手ゲームデベロッパーにて14年ほどプログラマー、ディレクター、マネージャー、制作プロデューサーを行いながら開発部門統括、人事部門統括などの業務も経験。2013年4月に独立。
独立後はオリジナルゲームの開発を行うかたわら、学校でゲームプログラム、ゲームデザインの講義を行う。
出版社から本書籍の概要と日本国内で出版される事を聞かされた時、思わず「こういった本が欲しかった!」と一人で興奮状態に陥りました。専門学校にてゲームプログラム講義を行っている立場の人間として、ゲーム制作に必要なゲームエンジンを現場で求められるレベルのプログラム技術を学生に満遍なく伝えていく事にそれをサポートしてくれる存在としてこの書籍はとても重要な本になると確信しています。
2Dゲームの典型的なつくり方、ゲームにおけるC++言語の利用方、DirectXの使い方、サウンド、ネットワークやゲームエンジンの構成と設計など、全てをまとめて学ぶ事ができるテキストが存在していないのは学生に対してゲーム制作の講義を行う上で頭の痛い問題だったのですが、本書のおかげでその問題にも対処ができそうです。
C++言語はPC及び家庭用ゲーム機でのゲーム開発においてとてもよく使用される言語であり、オブジェクト指向プログラミングを行うのにほどよい使い心地を持っています。極めようとするととても奥の深い言語ですが、幅広く普及している言語ですので、C++言語を理解しておく事はゲームプログラマーとしてゲーム会社に就職する際にもとても大きな武器となります。
DirectXはWindows環境で2D、3Dのグラフィックを扱う為のライブラリであり、ゲームでグラフィックを描画する際にどのような原理・手順で描画されているのかを理解する為にもしっかりと理解していて欲しいライブラリです。また、ゲームの制作を進めていく際にはゲームをつくっていくための環境としてエンジンと呼ばれるプログラムの集合体を用意する事もありますが、いざ自分自身でゲームエンジンを制作しようとするとどんな機能が必要で、どのようにクラス設計し、どう実装していくのかが非常に難しいのですが本書ではエンジンの一つの形を示し、それを理解していく事でゲームエンジンに必要な機能と構成を学ぶ事ができるようになっています。
2Dゲームというゲームプログラム学習初期にとても適切な題材を用いながら、数学、当たり判定、キー入力、パッド入力、サウンド、ネットワークといった必須事項がゲーム制作の形をとって説明されており、本書を通して学ぶ事はとても楽しい道のりではないかと想像しています。
本書を通してどのように学習を進めるのがよいのかを少し具体的に書いておきます。
本書で使用されているC++コーディングスタイルはC++入門者からすると多少難しい部分もあるとは思いますが本書での解説で物足りない、不安な部分はぜひ他のC++書籍も参考にしながらC++への理解を深めてください。
2Dゲームとゲームエンジンの解説書ですので自分の好きな章から読み始めるよりは、まずは最初の章からしっかりと読み進め、実際に自分でプログラムを入力しながら理解を深めてください。
決して読んだだけで理解したと勘違いしないようにしましょう! 実際にプログラムを自分で入力できるようになって初めて「理解した」と言えます。途中で理解が追いつかなくなった場合はどうか落ち着いて焦らずにまた最初から読み直しましょう。以前は理解できていなかった事を理解できている自分にも気付け、自信を取り戻しながら学習を進めていけると思います。半年から1年かけてしっかりと学ぶべき内容が本書籍には詰め込まれています。どうか焦らずに、しかし確実に読み進めていきましょう。
本書は所々に多少ハードルとなるようなポイントが存在します。皆様が普段よく遊ぶゲームでもプレイヤーの成長を試すために中ボスが存在するように壁にぶつかったとしても焦らずに勉強を重ね経験値を貯めていきましょう。本書がボロボロになるまで繰り返し読みましょう。忘れてしまう箇所、なかなか覚えられない箇所もあると思いますが何度も読み、繰り返しプログラムを入力する事で皆様の血肉となります。
私自身もゲームプログラマーを目指している時は、何度も大切な事を忘れ、覚えきれず、才能の無さに落ち込みながらも勉強を重ねていきました。そんな私でさえゲームプログラマーになれたのですから本書のような良い書籍と出会えた皆様にはもっと大きな可能性が待っていると思います。
今現在、素晴らしい高度な技術を使いこなしているウィザード級のプログラマー達にもテキストだけのプログラム、2Dグラフィックでのプログラムを覚え、バグと戦い、基礎を固めていきながらゲームプログラマーへの道を歩んでいた日々があった事を
どうか覚えていて欲しいと思っています。
この書籍でゲームプログラムを学んだ皆様が作るゲームが世に出て、多くの人を楽しませるが来る事を楽しみにしています。


2Dファンタジスタ
代表
渡辺 雅央
大手ゲームデベロッパーにて14年ほどプログラマー、ディレクター、マネージャー、制作プロデューサーを行いながら開発部門統括、人事部門統括などの業務も経験。2013年4月に独立。
独立後はオリジナルゲームの開発を行うかたわら、学校でゲームプログラム、ゲームデザインの講義を行う。

 


 

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