新しい開発環境がリリースされました。このバージョンからiPhone OS 3.2以降のみが対象となります。そこで原著のソースコードを最新の開発環境で利用するさいに、訳者が体験したことをお知らせします。現著者のサポートページなどで、より新しくかつ正確な情報が公開されましたら、あらためてご報告します。
原書のソースコードは以下の通りです。
Beginning_iPhone_3_Development_Exploring_the_iPhone_SDK-4476.zip
上記プロジェクトは2009年10月12日付けです。
解凍すれば、次のようなプロジェクトが用意されています。
これらはiPhone OS 3.1.2までにしか対応していません。そのため、新しい開発環境でプロジェクトをビルドするには、一手間が必要となりました。
たとえば、原著の「Hello World」プロジェクト開くと、左端のドロップダウンメニューにはBase SDK Missingと表示されます。
メニューを開くと、次のようになっているでしょう。
このままでは「ビルドと実行」ができません。理由はプロジェクトをiPhone OS 3.2用に設定されていないからです。そこでXcodeのプロジェクトメニューから「プロジェクト設定を編集」を選びます。
すると、次のように一覧表が現れます。
文字通り「ベースSDK」のところに「iPhoneシミュレータ3.1.2(見つかりません)」となっています。もう解決方法がわかりました。
ここのメニューを選んで適切なものを選べばよいと推測できます。メニューを選ぶと、次のようにiPhoneシミュレータとして3.2と4.0を選ぶことができるのがわかります。
ここでは、3.2を選びましょう。そうすればプロジェクトはiPad Simulator 3.2でもiPhone Simulator 4.0でも「ビルドと実行」ができます(iPhone Simulator 3.2とかiPad Simulator 3.2とか、いろいろ紛らわしい名前が出てきます)。
iPhone Simulator 4.0で実行すると画面中央に
Hello World!
と表示され、終了ボタンを押すと、ご覧のようになります。
●アップルのドキュメント
iOSに向けてドキュメントも改訂されています。
https://developer.apple.com/jp/iphone/library/japanese.html
ご覧のように、日本語訳と英語訳の版の違い(作成日の対応)もわかるようになりました。