写真がもっと好きになる。
菅原一剛の写真ワークショップ。
「撮影して、出来上がった写真を見て、満足できて、その写真を人に見せたら、すごくよろこんでもらえる」。そんなふうに写真が好きになるには何をしたらいいの? 機材やテクニックのほかにも、実践したら楽しいことが、この本にはたくさん書いてあります。
この本は、インターネットのwebサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』http://www.1101.com/に、
2005年12月15日から2007年3月2日までに掲載された
『写真がもっと好きになる。菅原一剛の写真ワークショップ。』をもとに、
加筆・編集を加えて一冊にまとめたものです。
菅原一剛は写真のプロです。
もちろん、技術的に上手い写真を撮ることだってできます。
でも菅原一剛は、人に見せて「いいなぁ!」って思ってくれる、
そんな写真を撮るのが楽しくて、大好きです。
だから、この本を書きました。
みんなが気軽に楽しみながら、
いい写真が撮れるようになるコツが、たくさん書いてあります。
難しいことは言ってません。
いい写真、大切な写真は、テクニックやコンセプトとは別のところにありますから。
収録した157点の写真は、
菅原一剛が写真をはじめてから現在までに撮りためた大切な写真です。
作品として発表した写真、個人的な思いから大切にしている写真、
毎日撮っている空の写真、いろいろです。
でも、ぜんぶいい写真です。
友だちや家族に自慢したくなるような写真が、きっと撮れるようになるはずですよ!
■カメラと一緒に歩いてみよう。
写真の始まりは、いつもお散歩。
びくびくしながらも、真正面。
光を観るために、空を撮る。
何が何でも、失敗は成功のもと。
上を向いて歩こう。
マジックアワーを知っていますか。
一枚の写真は、ひとつのドアみたいなもの。
一台のカメラと一緒に、旅に出よう。
■あなたの思いは、きっと写ります。
アングルを意識しながら、撮ってみよう。
目に入ったものは、全部撮ってみよう。
ときにはフイルムを使ってドキドキしながら撮る。
何に対しても、話かけるように撮ってみよう。
スナップ写真を、ゆっくりたくさん撮ってみよう。
メイ・アイ・テイク・ユア・ピクチャ?
■ゆっくりものを見てみよう。
ゆっくりものを観てみよう。
ファインダーを覗かないと見えないもの。
写真は、決して止まっていない。
海に映る光は、半分の光。
三脚のすすめ。
■ちょっと不思議な写真のしくみ。
適正露出って、何だろう。
写真は、けっして四角くない。
青という色は、はじまりの色。
桜の花びらが、はらはらと散る理由。
光の色を意識しながら、撮ってみよう。
目に見える光と、目に見えない光。
デジカメなんか嫌い、でもデジカメも好き。
黒にもいろんな“黒”がある。
写真と水の親密な関係。
改めてモノクロで撮ってみよう。
■写真は、ひとつの大切な“もの”。
誰にでも、必ず大切な写真はある。
きっと、偶然なんてものはない。
すべてのものは、写真とともにつながっていく。
プリントしてみないと、わからないこともある。
写真集を“読んで”みよう。
■季節の光の違いを写してみよう。
近づいてみないと、見えないもの
写真のためにまわり道をしてみよう。
自分だけの写真集を作ってみよう。
紅葉の色は、光の色。
あなたの白はどんな色?
■正しいカメラとレンズの使い方。
ほんとうに正しい、カメラの選び方。
写真はカメラが撮るものではなくレンズが撮るもの。
いろんなカメラ、いろんなレンズ。
はじめてのライカ。
“標準レンズ”で見える、大切な“ふつう”。
気配を写す“広角レンズ”。
視点を写す、“望遠レンズ”。
■ケータイだって写真がもっと好きになる。
毎日持ち歩く、ケータイカメラ。
ちょっとした工夫で写真が変わる。
写真がケータイを大切な“もの”にする。
エピローグ『あかるいところ、あたたかいところ』
【著者プロフィール】
菅原一剛 すがわら いちごう
1960年生まれ。
大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、早崎治氏に師事。
フランスにてフリーの写真家として活動を開始して以来、
数多くの個展を開催すると同時に、広告写真およびにCFなども手掛ける。
撮影監督を務めた映画『青い魚』は、
1996年ベルリン国際映画祭にて正式招待作品として上映された。
2005年には、アニメ『蟲師』のオープニングディレクターを務めるなど、
その活動は従来の写真の領域を越え、多岐にわたる。
2004年フランス国立図書館に10点の作品が収蔵される。
2005年6月、ニューヨークのPace/MacGill Galleryにおける『Made in the Shade』展に、
ロバート・フランク氏らとともに出展。
菅原一剛ホームページ『今日の空』
http://www.ichigosugawara.com/