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安倍政権が最重要施策のひとつに掲げている「働き方改革」が連日、マスコミで取り沙汰されています。
その狙いは、日本のビジネスパーソンの長時間労働にメスを入れ、生産性を向上させること。
この点で日本の先を行くのがドイツです。
ヨーロッパの経済大国として、経済を引っ張るドイツ。
日本より労働時間が短く、生産性は高い。なぜ、これが可能になったのか。
「この国のサラリーマンたちの労働時間の短さと、休暇の長さには驚嘆させられる」という在独ジャーナリストの著者が、その秘密を解き明かします。
序 章 日本の働き方は改革できるのか?
第1章 なぜドイツは残業なしでも経済大国なのか?
第2章 国による厳しい監視が必要
第3章 残業よりも早い帰宅を評価する
第4章 ドイツの仕事は個人でなく会社につく
第5章 過剰なサービスを減らして時短を実現
第6章 働き方の意識改革
著者は1990年から27年間、ドイツで働いている。それ以前は8年間、NHK(日本放送協会)記者として働いていた。
日本とドイツの働き方は、かなり違う。真逆といってよいかもしれない。
ドイツに日本人駐在員が着任すると、日本では考えられないレベルの短い労働時間に驚く。管理職でもない限り、ほとんど残業をしない。
「なぜ、こんな短い労働時間でも仕事や経済が回っているのですか?」
この手の質問を著者はもう何度も、日本人から受けてきた。
あえてわかりやすい言い方をすると、ドイツ人は午後5時まで頑張って働き、日本人は午後5時から頑張って残業する。
ドイツでは午後3時に退勤するケースもあるくらいだが、それでもドイツ経済は絶好調である。
ドイツの年平均労働時間は1371時間(日本は1719時間)とかなり短いにもかかわらず、労働生産性は日本を約46%も上回っている。
労働生産性とは、1人が1時間に生み出すGDP(国内総生産)のことである。
2016年の1人当たりのGDPを比べると、ドイツ(4万1902ドル=約469万円)が日本(3万8917ドル=約436万円)を上回る(IMF・国際通貨基金調べ)。
なぜ、こうも日本とドイツは違うのか?
ドイツのやり方が100%正しいわけではないし、100%コピーする必要もない。
しかし、その働き方や考え方に学ぶべきことはたくさんある。
なにせ日本より労働時間も休みも多いのに、経済パフォーマンスが上回っているのだ。
日本とドイツで実際に働いた経験があり、実情を知る著者だからこそ伝えられる、日本の働き方改革に役立つ情報を、じっくりと紹介する。