
悠久のアンダンテ -荒野とナツメの物語-
終わることなく蟲を狩り続ける青年と、ちっぽけな少女。
過酷な荒野で出会った二人は、新たな物語を紡ぎ始める。
隊商が全滅した夜、幼い少女はただ一人生き残った。
命を助けてくれたのは、巨大な剣を手にした青年アベル。
しかし、人間では太刀打ちできない生物――蟲をたやすく屠る彼との邂逅は短いものにすぎなかった。
過酷な荒野の旅を辛うじて生き残ったナツメはやがて成長し、再びアベルと出会う。
だが、彼女の前に現れたのは、あの夜と寸分も変わっていない青年だった。
記憶もなく老いることもなく、ただひとつ残された使命感とともに、ひたすら荒野を巡り蟲を狩り続けるアベル。
彼に秘められた謎とは一体なんなのか。そしてアベルとの再会が、ナツメにもたらすものとは――!?