
ノブレス・オブリージュ2 ~成瀬春水の艱難~
亜未がその噂を聞いたのは、みんなが文化祭の準備で浮き立っている、そんなある日のこと。
でも、まさか、お二人は親友なんじゃ……。
ルミナスの諸先輩方に相談するが、皆「信じろ」と言うばかり。
そうこうしているうちに当日となり……。
「僕の国は返してもらう!」
その瞬間あたし、鍛冶本亜未の胸に稲妻が走った。
だって、だってあの沙矢香さまが「僕」って……「僕」って言ったんですもの!!
文化祭でルミナス・フォースのメンバーが劇を披露するのは聖宝女学院古くからの伝統だ。
その王子様役である沙矢香さまの、ただのセリフだと判っていても……いやぁん、どうにかなっちゃいそう~!
王女さま役の春水さまもお美しいし、悪の剣術遣い役の七海さまもかっこいいし……早く来い来い文化祭って感じ!
でも浮かれる私をよそに学園内には不穏な噂が蔓延していた。
曰く、「春水さまが七海さまのお命を狙っている」と。そんな……嘘でしょ!?