
「か、壁ドンからの、おおお押し倒しコンボ? しししかも、煮込みをっ。煮込みを襲おうとするなんて!」
「に、煮込み? 煮込みは襲わない。煮込みは食べるものだ!」
「食べる? 私を食べる気なのっ?」

「こいつはレスター家の呪われし刻印に定められた厄災の徒。辺境であっても生きて国家に貢献できるだけでもありがたく思え」
――――――――――――――――――
「あなたに男を落とすなんて無理。他人に愛されることもない。たった一人にだってね」

――『絶対性交! 効き過ぎてやばい魔性のテクニック(夜の営み編)』
パラリ
「いけない、いけない、いけないわっ」
アグニス

「戦闘だろうが見合いだろうが『最強』の名に懸けて、俺は勝つ!」
大陸の雄・エスキア共和国『最強』の剣士で『獄炎帝』(フレイムロード)の異名を持つ少年。高速の剣と空気の摩擦で炎を生み出す。共和国の名門レスター家の子息だが、呪われた子どもとして忌避されて辺境の地に送られ、雑兵軍団を率いて魔獣退治の任務を続けている。
レファ

「魔術の深淵に達した私からすれば人間の恋愛など児戯に等しい。男を篭絡するなど造作もないわ」
大陸の雄・イグマール王国の第五王女。イグマール『最強』の魔術師で『氷結姫』(ブリザードローズ)の異名を持つ。王都フェンリルから遠く離れた別荘で、お付きのメイドとともに暮らしているが、急遽お見合いに駆り出される。周囲からの畏怖とは裏腹に、少女小説のような恋愛にこっそり憧れている。
メイ・レスター

「結婚してもお兄ちゃんの貞操は私が管理するんだから!」
アグニスの妹で、兄とともに辺境で暮らす少女。士官学校を首席で卒業した才媛で、アグニスのお見合いを裏から補佐する。お兄ちゃん大好き。
ロゼリーヌ

「まったく……絶対零度の『最強」魔術師がこれほどの乙女趣味とは」
レファのお付きの万能メガネメイド。元隠密で凄腕の魔術師。レファのお見合いを影からサポートする。主であるレファに容赦のないツッコミを入れることもあるが、レファが唯一隙を見せる相手でもある。