異世界からヤバい奴らがやってくる!

クズと女神のハイテンション・コメディ!

■夕立朱人(ゆうだちあかひと)
引きこもりの高校三年生の十七歳。アンチの多い炎上系底辺ユーチューバーで、生配信も行う。女神クラマとともにエルフと戦うことに。
「ほかの動画も再生数まったく伸びないし死活問題なんだよ。こんな貧困な高校生いるか?」
■クラマ
異世界アサルカルドの女神。エルフの地球侵攻を阻止するためにやってきた。
「なんですのツンデレって。なんか、あなたムカつきますわ!」

■星崎ナイト(ほしざきないと)
東京に住む高校一年生の少女。超能力者として人気のユーチューバー。朱人は星崎ナイトをディスる発言をしているが、相手にしていない。
「これはサイコキネシスとは違う。『流星弾の涙《スターガン》』だ。 相手は消える」
■億寺積木(おくてらつみき)
朱人を呪いから助けた霊能力者。ギャル口調で着物、茶黒の髪をツインテールにした二十九歳。
「ちょっ、なに人んちの前で騒いでるの。ウケるんですけどー」
■ひきこ
白い服を着て長い黒髪の都市伝説の怪異。朱人に取り憑いていたところ、億寺に封印される。
「あかひとおお!! あかひとあかひと会いたかった会いたかった会いたかったああ! ていうか、そこの女はなんなんだよおお!! 朱人に近づくなアバズレビッチどもがああ!! 殺す!! 殺してやるうう!!」

■クリフトシーヒ
異世界アサルカルドからやってきた女性。地球の男を性奴隷にするためにやってきたスケベエルフ。貧乳を指摘されるとブチギレる。
「男はできるだけ多く拉致して選民する。そして、女も殺さない。ガールズトークしたいからな」
■ミム
エルフとともにやってきた魔族リリムの少女。
「あんな年増のサキュバスと一緒にすんなよ。ウチはピッチピッチのリリムだからさぁ!」

朱人は咄嗟にクラマの頭から手を離す。
「ちょっ! 勝手に人の頭、触らないでほしいですわ!」
もう一度ポンポン。
「うにゃ~ん。ふにゅふにゅ」
「!?」
猫だ。クラマは猫だったのだ! なんだこれは……。リスナーも朱人も混乱していた。 朱人は謎の中毒性にかられ、クラマの頭をなで続ける。
「くるにゃ~ん。くしゅくしゅ。にゃ~ん」
『朱人もっとやれ!』『なんだこれ!』『かわいすぎる』『やっぱり俺もクラマ教入ることにした!』『猫じゃん! いや猫じゃん!』

「不思議な少年だ。エルフの女を前にして欲情しない男はそうそういない」
「まあ、おまえスタイルは超いいけど貧乳だしな」
「なるほどな、そうか……胸の問題か…………殺す! 貴様は絶対殺すうううう!」
エルフが眉を直角になる手前まで吊り上げて、猛ダッシュで朱人を追いかけてきた。
彼女の鬼の形相に、ベッタリだった横山も逃げ出す始末だ。それくらいエルフからは殺オーラが出ている。朱人とクラマはうしろを振り向かずただただ、前に向かって走る。

車輪の元をたどると、見覚えのある少女がサドルにまたがっていた。
小さな身体と大きな自転車が不釣り合いだ。
黒髪ショートボブのパンクな少女。
「チャリで来た」
少女はドヤ顔で朱人を見下ろす。
そんな彼女の姿にいち早く反応したのは、朱人ではなく上空のコメント欄だ。
『星崎ナイトキタ――――!』『星崎ナイトキタ――――!』『星崎ナイトキタ――――!』『キタ――!』『星崎ナイトキタ――!』『キタ――!』『ナイト! ナイト! ナイト! ナイト!』『なんでナイトいんのwwww』