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藤宮周(ふじみや あまね)

主人公。進学して一人暮らしを始めた高校一年生。家事全般が苦手で自堕落な生活を送っている。ぶっきらぼうで友人も少なく、自己を卑下しがちだが、優しく思いやりのある性格。
椎名真昼(しいな まひる)

周のマンションの隣人でクラスメイト。学校一の美少女で、品行方正、成績優秀。学校ではいつも微笑みをたたえ天使様と呼ばれているが、普段の姿は素っ気なく、若干毒舌。周と同じく一人暮らしで、家事は完璧にこなしている。

……なにやってるんだ」
なるべく素っ気なく声をかけると、水分でずっしりと重くなっていそうな長い髪を揺らして、こちらを向く。
今までまったく関わりのなかった人間からの接触に、カラメル色の瞳にうっすらと警戒が滲んだ。
「藤宮さん。私に何かご用で?」

「熱を測っておいてください」
「ん」
シャツの前を開けて体温計を取り出したところで、真昼がばっと顔を逸らす。
「私が部屋を出てからにしてくださいっ」
声をほんのりと荒らげた真昼を見れば、うっすらと頬が赤くなっている。

「じゃあ作り始めますので、あなたはリビングで待つなり部屋で待つなりしていてください」
(……なんつーか、奥さん持った気分)
「……何か変な事考えてません?」
「妙な憶測はやめろ」

扉の向こうに広がっていたのは――ベッドの縁に背中を預け、クッションを膝に抱えている、美少女の姿。
それも、瞳を閉じて一定のリズムで小さな呼吸を繰り返す……有り体に言えばうたた寝をしている真昼の姿だった。
「あらやだ周ったら、こんな可愛い彼女作っちゃって!」