使用上の注意点
WindowsやExcelのバージョンによっては、練習用ファイルを開こうとすると画面の上部に、赤色の[セキュリティリスク]警告メッセージが表示されます。これは、インターネットから入手したファイルに危険なプログラムが含まれている場合を想定し、許可なく実行されることがないようにするための仕組みです。
▼表示される警告の例
本書の練習用ファイルは問題ありませんので、次の手順でブロックを解除してください。
まずは練習用ファイルをローカルディスク上に保存し、解凍してください。
その後のブロック解除方法は、大きく分けて、「個別のファイルごとにブロック解除するパターン」と、「特定のフォルダーをまとめてブロック解除するパターン」の2パターンあります。
個別のブックのブロックを解除するパターン
インターネットからダウンロードしたOfficeアプリケーションのファイルには、Excelのブックに限らず、「Webのマーク(Mark Of The Web、略称:MOTW)」と呼ばれるチェック項目(ファイルプロパティ)が付加されます。このチェックを手動で外します。
エクスプローラーで対象ブックを右クリックし、表示されるメニューから[プロパティ]を選択します。
▼ブックを右クリックしてプロパティを表示
表示される[プロパティ]ダイアログ内から[全般]タブを選び、下部にある[セキュリティ]欄の[許可する]にチェックを付け、[適用]ボタンを押せばチェックが外れます。これでこのブックは、ブロックが解除されます。
▼チェックを外して[適用]
こちらの方法は手軽ではありますが、ブック1つひとつに対して手動で行う必要があります。まとめてブロックを解除したい場合は、下記の機能を利用します。
フォルダーを指定してブロックを解除するパターン
Excelには「このフォルダー内のブックは、安全だと認識してマクロを実行してもいいですよ」という「信頼できる場所」を設定できる機能があります。このフォルダー内に練習用ファイルを移動すれば、マクロが実行できるようになります。
「信頼できる場所」は、Excelの[オプション]内の[トラストセンター]項目で確認/設定可能です。ここから練習用ファイルの入ったフォルダー(解凍後の「ExcelMacroVBA」フォルダー)を「信頼できる場所」として指定します。指定の際には、[この場所のサブフォルダーも信頼する]にチェックを入れると、解凍後のブック全体のブロックをまとめて解除できます。
▼[トラストセンター]項目
こちらはまとめてブロックが解除できる反面、フォルダー内に入れたブックのマクロを実行「してしまう」危険性と隣り合わせの方法といえます。そのため、学習後に練習用ファイルを実行する必要がなくなったら、練習用ファイルの入ったフォルダーを削除後、「信頼できる場所」から解除することをお勧めします。
黄色いセキュリティの警告確認
上記2つの方法でブロックを解除した場合でも、危険なマクロが実行されないよう、さらにセキュリティが働く場合があります。その場合には、下図のように黄色の警告メッセージが表示されます。
▼セキュリティ確認のダイアログ
この場合には、[コンテンツの有効化]等のボタンを押せば、ブック内のマクロが実行できる環境で開けます。
ちなみに、これらの警告メッセージは、VBEを開いている場合には数式バー下の警告メッセージとしてではなく、警告ダイアログとして表示されます。
▼VBEが開いている場合には警告ダイアログとして表示される