
お隣の魔法使い 永遠は三つめの願い
春一番は、何でも吹き飛ばしてしまいそう。
それとも、何でも飛んでこられるのかしら。
どちらにしても、お隣にいくのに全力で風と闘わなきゃならないなんて、今日はとんでもない日だわ。
なのに、どうしてツクツクさんは外でお茶を飲んでいるわけ?
「渡り猫というは、春の風物詩なんですよ。ああやって紙袋に飛び込んで、生まれた地から遠くへと旅をするんです」
こんな春一番の吹く日にテラスでお茶をしているツクツクさん。
そこに飛び込んできた白い子猫。
袋に入ってタンポポの綿毛のように飛んでいくのが子猫たちの冒険、ってツクツクさんは言うけれど……。
え? 春を数える? しかも単位が猫(にゃんこ)ってなに?
春一番に吹かれる第一話から、二人の気持ちが少しだけ見える最終話まで、ちょっぴり不思議で心温まるツクツクさんワールド。
サードシーズンにご招待です!