
カラミティナイト-オルタナティブ-2
(優子がいてくれれば、あんな連中に、負けなかったのに……)
夜更けの公園で一人泣いていた敷島咲希。
その前に現れたのは、智美と優子の担任雪村だった。
「――これだ、この人形を君にあげよう。敷島は、思い通りにならない人間関係に悩んでいたようだからね」
優しい言葉と共に手渡された、小さな人形。それは、敷島咲希の儚い願いを狂気に変える、禁断の鍵だった……。
ホリィ・ブローニングの左胸に宿る「災禍の心臓」が巻き起こす、凄惨な事件の数々が、日常を崩壊させてゆく。
誰もが、誰かを守りたいと想いながらも、その想いを嘲笑うかのように、傷つけ合うことしか出来ない少女たち。
だが、それでも、櫻井優子は疾走する。
呪われた夜の闇を。
自分だけに守れる誰かがいると信じて。
自分だけに出来る何かがあると信じて。
そして優子が辿り着いた場所で、待ち受けていた「真実」とは――。