
ありすとBOBO -猫とマグロと恋心-
「太刀魚って名前は伊達じゃないぜ!」
瀬戸内海で揚がった旬の太刀魚、冷凍にされたそれの斬れ味は名刀村雨に匹敵する。
その太刀魚二刀を振りかざすは、隻眼のマグロ戦士本間九郎!
対するは和の心を体現したカナダ産グリズリー。
その名もボーボー!
「マグロの本当の旨さを知ってるのは日本人だけだ! 昨日今日魚を食い始めたやつらにマグロを食う資格はねぇっ!!」
そう猛り叫ぶ魚屋を、マフィアは冷めた目で見つめ返し、こう言った。
「ただの魚よ」と。
魚屋とマフィアがマグロの覇権を争う中、サウスエンドの狂犬女子高生・狗頭蘭子は別のことで真剣に頭を悩ませていた。
――同級生の鰯田君とどうすれば仲良くなれるか――ということをだ。
アリスの保護者カナディアングリズリー(日本語堪能)のボーボーは、こう感想を漏らした。
「アリスも恋する雌なんだねぇ……」
「雌って言うな!!」
マグロを巡る珍騒動とアリスの恋の行方はいかに!?