
わたしは、「なまけもの」になったり、「がんばり屋」になったりするのは、生まれもった性格によるものだと思っていました。ところが、人体を学び、たくさんの人との出会いによりわかったのは、股関節のズレが原因で疲れやすい体質になっている人が多いという事実です。だから、股関節を正しく整えれば、性格も明るくなり、元気で活動的になれるということを、たくさんのかたに知ってもらいたいのです。股関節を整えるために、誰かの手や器具などの力を借りる必要はないのです。本書でご紹介する、1分でできるストレッチや体操で、かんたんに、自分で、お金をかけずに、からだは変わります。
あなたの股関節はどうなっている?

股関節は、あなたのからだを「よい状態に保とう」と、からだの「内側」でがんばっている関節です。まずはその場で立って、片脚立ちをしてみてください。どうですか?からだがグラつきませんか?グラつくかたは、もれなく股関節がズレています。左右差はいかがでしょう?右脚立ちのほうがグラつくという人は右の股関節、左脚立ちのほうがグラつくという人は左の股関節のほうがよりズレているということです。
ねこ背の理由は股関節にあり

一生懸命、背筋を伸ばそうとしてもねこ背がなおらないのは、正しい姿勢を維持する方法を知らないからです。下半身を整えるための根本は、なんといっても股関節です。股関節が整っていれば、脚は上半身の重みをバランスよく受け止め、姿勢を正しい位置に保つことができます。
ガチガチ股関節は末端からゆるめるといいワケ

足の指を使って、じゃんけんの「グー・チョキ・パー」をつくります。3回繰り返すだけでも、足先からぽかぽかと温まってくるのを感じられるはずです。じつは、親指以外の足の指は、脚の裏側にある、抗重力筋につながっています。そのことを実感するために、立ち上がって親指以外の4本の指を意識して指を上げてみてください。
ひざ裏たたき

ひざの裏を、トントンとリズミカルに刺激することで、こわばったひざ裏、太もも裏、ふくらはぎの筋肉をほぐします。また、縮こまったひざ関節をほぐし、ひざがまっすぐに前を向く正しい状態に導きます。血管やリンパを刺激し、流れを促すため、脚がすっと細くなります。また、ひざがまっすぐ上に向くように整えるため、O脚などの脚のゆがみにも効果的です。さらに、ひざ裏が伸びることで脚が長くなります。
お尻たたき

股関節にとって、両足をぴったりくっつけるのは、楽な姿勢ではありません。「お尻たたき」は、両足を肩幅程度に開いて行い、無理なく股関節をほぐしてくれるストレッチです。太もも裏の抗重力筋が働き、ヒップをぐっと持ち上げてくれます。また、太もも裏の抗重力筋がまっすぐに伸びるため、脚が長くなる人も少なくありません。
O脚がなおる

股関節は、背骨や骨盤などの上半身の土台として働くだけではありません。2本の脚の根本であり、下半身の要となる関節でもあります。そのため、O脚やX脚など、脚のラインにも大きな影響を及ぼします。多くの人は、自分が「O脚」だと考えていますが、じつは、曲がってゆがんだ脚の80パーセント以上は「XO脚」です。XO脚になる最大の理由は、股関節がズレて広がっているのに、まっすぐ歩こうとしてひざを内側に寄せ、「一直線のライン上を歩く」歩きかたをしているからです。