木の高さを測る

この方法は実際には相似を利用しているのですが、直角三角形で角度が45°の場合、「斜辺以外の2辺は等しい」というのは三角比の利用と言えます。この角度と辺の関係を利用すること、人が仰角45°となる地点まで移動することで、木の高さを測ることができるのです。
池に浮かぶ島までの距離を測る

直接測れないものとしては、下図のような池があって、中に島があるとき、そこまでの距離を測るという場合にも、三角比が役立ちます。この場合、池の岸A~B=100mであれば、島までの距離A~Cも100mです。また、岸D~E=90mであれば、D~Cは、90×√3=90×1.732=155.9で約156mと速算できます。
ターレスのピラミッド計測

ピラミッドに直角に太陽の光が差し込むときを利用すると、棒の長さと影の比、ピラミッドの高さとその影の比で求めることができます。一番かんたんなのは、「棒の長さ=棒の影の長さ」となるときを見計らって、ピラミッドの影の長さを測ることです。このような相似の考えを拡張したのが三角比なのです。
三角比だけでもさまざまな問題が解ける

他の辺の2乗の和に等しい」というものです。しかし、このタイルで「直角三角形でピタゴラスの定理を証明した」というのは無理があります。なぜなら、これは直角二等辺三角形という、直角三角形の中でも特殊な形状をしているものだからです。
「ピタゴラスの定理」

「ピタゴラスの定理」とは、「直角三角形があるとき、その斜辺の2乗は、他の辺の2乗の和に等しい」というものです。実はピタゴラスの定理については、無数とも言えるほどの証明があります。その中でも、上のような証明が一番直感的に理解できるのではないでしょうか。
ピタゴラスの定理と無理数

先ほどのようなタイル(直角二等辺三角形)があったとき、1辺=1とすると、斜辺の長さは12+12=2となります。これは斜辺の長さをxとしたとき、x2=2となる数で、=1.41421356……という、どこまでも無限に続く「無理数」になることは、現在、よく知られています。