ウォルター

かつて世界を救った「元勇者」。国民から度を過ぎて慕われてしまい平穏な生活すらままならなくなった。人々に追い回される生活に疲れ果て、田舎でのんびり暮らそうと王都を出奔することに。
アルフィー

ウォルターが流れ着いた田舎の都市、アテルスの領主さま。天然かつ超純真であり、領主の印璽を悪徳商人に奪われて脅迫を受けてしまっている。可愛いものに目がなく、トゥーを溺愛する。
トゥエンティ

ウォルターが持つ聖剣「トゥエンティ」でふだんは剣ではなく人間の姿をとっている。「トゥー」と呼ぶよう周囲に強制しており、「トゥエンティ」とフルネームで呼ぶと怒る。ポンコツぎみ。
レシュカ

ウォルターのかつての仲間で、現在は王国に使える「賢者」。美貌と知能を兼ね備えた才媛だが、底意地が悪いというか他人の心情を斟酌しない、冷徹にして苛烈な性格。
オルガ

魔族であるオーガの血を受け継いだ亜人の少女。奴隷の身分であり、とある貴族に隷属している。主人のためを思って闘技大会で活躍するが、それが裏目に出てしまい……。

「こんなに可愛いトゥエンティちゃんが懐いているんだから、ウォルターさんが悪人な筈ないじゃないですか?」
どうやら平和な世界になった事で、正義は勇者から可愛いモノに移っているらしい。
俺はおまけでトゥーが本命っぽいが……こんな好条件、飛びつかなきゃ馬鹿だ。
「よし、交渉成立だ。お前の大切なもんは、俺が取り返してやるよ」
その一言で、アルフィの瞳に希望が満ちていくのが分かった。

「イカサマしましたねぇぇぇぇぇッ!」
突然アルフィは持っていたカードを相手に投げつけた!
そのまま机に身を乗り出すと、ロイの胸倉に掴みかかる!
絶望なんかしてなかった! この娘殺る気満々だッ!
「ちんちん付いてるくせに、ちんちん付いてない娘を相手にイカサマとは、どういうちんちんの付き方してるんですかァァァァッ!?」
ちんちん言い過ぎィィィィィィ!

「私の名前は《賢者》レシュカ・クトネシリカ。今回の事件で交渉を務めさせてもらうわ」
勇者一行の頭脳を務めたと知られる彼女だが――中身を知る俺からすれば、交渉人としては最低最悪の人選だったからだ。
「なんて事だ……あいつが交渉を始めたら……」
「レシュカ様ならすぐに解決ですよね!?」
「死人が出るぞ」
「えっ」
「死 人 が 出 る ぞ」