月夜野朱莉(つきよの・あかり)

「レンタル家族」として主人公の部屋に押しかけてきたヒロイン。高校2年生で転校生。表向きは物静かで品行方正な優等生で、料理以外の家事も難なくこなす家庭的な少女だが、“家族”になることに関しては妙に押しが強い。
戸祭羽凪(とまつり・はな)

主人公のクラスメイト。スクールカースト最上位に位置し、ぼっちの主人公にも気さくに声を掛けるナチュラルボーンの陽キャ。主人公の孤高の振る舞いに関心を寄せ、朱莉と主人公に秘密があることをかぎつける。
月夜野雫(つきよの・しずく)

朱莉の妹で中学生。姉のことが大好きなシスコンで、姉の貞操を脅かすモノを切り刻むべくハサミを持ち歩く危険人物。姉のためと言って主人公を襲撃するが、次第に主人公にも懐くようになる。

「私、月夜野朱莉です!」
弾んだ声で名のり、どうしてか、少しの間があった。
「……月夜野朱莉さん?」
思わず繰り返してみるが、心当たりはない。
「はい。今日からお世話になります。よろしくお願いします!」
「はい?」
今なんて言った?

「ねえ、泉ヶ丘君」
「なんだ?」
「わたしたちさ、付き合ってみない?」
「ぶはっ――!」
まさかの言葉にコーヒーを吹き出した。
こいつは笑顔でなにを突然言ってんだ?

「私があなたの犬になるわ――!」
夜の公園にとんでもない言葉が響き、俺の思考がとまった。
「あんたが望むなら、犬でもメイドでもなんでもなる! だから、お願いだからお姉ちゃんの処女だけは! 処女だけは堪忍して!」