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データ視覚化のデザイン

永田 ゆかり:著者

達人が教えるビジュアライゼーションの極意!!

本書で言う「データ視覚化」(ビジュアライゼーション)とは、単に手元にあるデータをグラフにすることではありません。いくらデータを視覚化しても、その中から人間が重要な情報を読み取れないのなら、データ視覚化をする意味がないからです。 あくまで、そのデータが指し示す意味を明確にすること、そしてより多くの人たち(オーディエンス)に興味を持って見てももらえることがデータ視覚化の目的です。
本書では、日本人女性唯一のTableau ZEN MASTERである筆者が長年にわたって培ってきたデータ視覚化のノウハウ、ベストプラクティス、アンチパターン等を整理分類してエッセンスを抽出し、具体的な事例をあげながら、できるかぎり丁寧に解説しました。また、セミナーなどの現場でよくされる質問に対する答えをまとめたものでもあるので、ある意味、”FAQ”でもあります。

目次
第1章 データ視覚化「キモのキモ」
この章では、第2章、第3章を理解するために必要な基礎知識を解説しています。もし、あなたがデータ視覚化の基礎概念に精通していらっしゃる方であれば読み飛ばしていただいても結構ですが、第2章、第3章は、ここで解説する視覚属性やデータのタイプの知識が前提となっています。

第2章 これだけでグッとプロっぽくなるコツ
この章では、少し気をつけるだけで素人っぽさから抜け出せるポイントに焦点を当てて解説しました。明日からすぐにあなたのデータ視覚化のクオリティを上げる具体的な方法を詰めています。

第3章 目的に応じたチャートの選択
この章では、表現したいものに対して適切なチャートを解説し、さらにいくつかの「やってはいけないこと」としてアンチパターンも記載しています。やってはいけないことの構造や理由を知ることで、グラフの目利き力がさらにアップするはずです。

第4章 事例で学ぶ -ダッシュボード作成思考のキャプション-
実際に私がコンサルティングで作ったダッシュボード、トレーニングやワークショップで使用したケースを題材に説明します。ビジネス領域での使用事例を具体的に丁寧に解説することで、ご自身のビジネスや状況に合わせて適切なデータ視覚化が自分の頭で考えられるようになることを目指しています。

第5章 本当に組織に根付かせるために
データ視覚化は、「力の入れどころ」と「勇気を出してあえて力を抜くところ」を知り、さらにオーディエンスを意識すると誰でもご自身が伝えたいメッセージを効果的に届けることができます。この章では、さらにそれらを加速させるコツを書きました。これを知っていれば、あなたのデータ視覚化ライフはさらに楽しくなること間違いなしです。

定価:2,200円(本体2,000円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2020年6月19日(金)
  • ISBN:978-4-8156-0405-9
  • サイズ:A5変
  • ページ数:196
  • 付録:-
  • 第1章 データ視覚化「キモのキモ」

    データ視覚化のデザインを考える上で基本となる知識を解説します。

  • 第2章 これだけでグッとプロっぽくなるコツ

    色、テキスト、レイアウト、罫線のカテゴリに分け、明日からすぐにあなたのデータ視覚化のクオリティを上げる具体的な方法を伝授します。

  • 第3章 目的に応じたチャートの選択

    表現したいものに対する適切なチャートの選択方法とアンチパターンを解説します。

  • 第4章 事例で学ぶ -ダッシュボード作成過程-

    著者がこれまでに業務やセミナー用に作成した作品について、その背景や使用しているテクニックを細かく解説します。

  • 第5章 組織に根付かせるために

    ここではデータ視覚化の本質について改めて解説するとともに、会社という組織内で活用する方法をお話しします。

絵の中に9はいくつあるのか?

上の図の左の絵の中に、9はいくつあるでしょう? 数えるのはとても大変ですよね。それでは、右の絵ではどうでしょう?

すぐにわかりましたよね。

  • この数字は何を伝えようとしているでしょうか? このデータセットは、XとYの2つの数値が組みになって、1つのデータを表します。それが11個集まって、1つのグループを構成しています。この4つのグループは、それぞれ、どんな傾向のあるグループと言えますか?

    数字の羅列から傾向を読み取るのは、手間がかかるし、面倒くさい? そうですよね。確かに、このままでは、傾向を読み取るのは、難しいです。こういう場合、一般的には、傾向を読み取るために、何をしようとするでしょう?

    グラフや数字を見て、「グループAよりもBの方が大きい数字が多い」とか「グループBよりもグループCの方が散らばりが大きそう」などは言えますが、それらは曖昧で主観的ですよね。もっと客観的に傾向を把握する方法はないでしょうか。

  • では、平均、分散、相関係数、回帰直線などの統計量を計算すればいいでしょうか? こういう場合に使える最強のツールが統計です。統計処理することで、それぞれのデータの傾向を「客観的」に把握できます。それでは、この4つのグループの統計量を計算してみましょう。上の表が、それです。

    えっ、これはどのグループの統計量なのかですって? 実は、4つのグループA~Dの平均、分散、相関係数、回帰直線などの統計量は、全部同一なのです。

    「これらはすべて、客観的に見て同じ傾向のデータだった!」

  • 統計では把握できないデータの傾向があるという結論に飛びつく前に、これらのデータを散布図で表示してみたのが、上の図です。

    「あれ?」と思いましたか? そうなんです。実は、平均、分散、相関係数などが完全に同じなのにも関わらず、こんなに傾向が異なるデータだったのです。

    これが何を意味するかと言うと、『「平均、分散、相関係数」などの統計量だけでは、表せないデータの傾向がある』ということです。また、統計量だけでは表せないデータの傾向を、データ視覚化によって把握することができる場合がある、ということです。

    この続きは「ビジネス+IT」でご覧ください。

著者紹介

著者・永田 ゆかり

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永田ゆかり(ながた・ゆかり) アクセンチュア、楽天、KPMGなどを経て、独立。データビズラボ株式会社を立ち上げる。日本Tableauユーザー会会長を務める。2019年2月にTableau ZEN MASTER に日本人女性で初めて選ばれる。 データ活用コンサルティングに加え、データビジュアライゼーション、データアナリティクス、データ分析・活用のためのクリティカルシンキング、役員向けデータ活用研修などをテーマとしたトレーニング講師を行う。「ビジネスとデータをつなぐ」「データビジュアライゼーション」「データ視覚化のデザイン」「データアナリティクス」などのテーマで講演、メディア、新聞などへの寄稿多数。 データビズラボ株式会社代表取締役社長 データメディア「Data Viz Lab」主宰 早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員 早稲田大学政経学部卒

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