SBクリエイティブ

カワイイけど慎重すぎるお嬢様の笑わせ方

りんごかげき:著者 / あゆま紗由:イラスト

用心深い高嶺の花、じつはお話好き!?
秘密の笑顔を見せてくれる、二人だけのオフレコ時間

「あたしには友達がいません!」
全校生徒をビビらせた新入生代表の挨拶を披露した沈着冷静系お嬢様、桃猫ハルは笑わないことで有名だ。

隣室のよしみから森カナトは相談をかね、話し相手になるが――
「笑いかけることは、あなたが好きよと告白するようで嫌なの……!」
彼女の悩みは笑えないこと。しかし、カナトとの会話のなかで、たまに不器用な微笑を見せるように!?

ハルは見かけによらず、実はお喋り大好きな明るい少女だった?
「色んな場所に行って、経験して、もっと笑えるようにしてくれる?」
「君の笑顔、保存してもOKなら」
不満げな君に微笑んでほしくて、こっそりダベる二人だけの物語。

定価:704円(本体640円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2021年12月14日(火)
  • ISBN:978-4-8156-1186-6
  • サイズ:文庫
  • ページ数:248
  • 付録:-
桃猫ハルは、さみしそうにステージから去ろうとしてしまった。

「ええ、そうです……。あたしには……友達がいませんっ!」

 彼女は、『誰とも友人関係になるつもりはない!』と語りたいのか?
 でも、その本心はきっとちがうように、僕には思えていた。

月曜の昼休み。桃猫は食堂で、スペシャルいちごパフェを食べることになった。

「んーっ!」

 おっきいパフェをおいしそうに「んー♡」と頬張る桃猫は、可愛さの結晶体みたいなものだったが。
 最初、桃猫はやる気満々で食べていた。無表情のどこかに闘志がみなぎっていることが、僕だけに分かっていた。

かわいい桃猫の写真を、花畑で記念撮影しようと試みる。

「SNSに写真アップするには、あたしの許可が必要ですよ?」

 僕は、露店で花冠を買って、桃猫にプレゼントしてあげた。
 どんな反応を返してくれるか不安だったが、瞳がキラキラしていたので、うれしいようだった。

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著者紹介

りんごかげき

第12回GA文庫大賞<銀賞>受賞作、『俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ! 』にて商業デビュー。

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