桃猫ハルは、さみしそうにステージから去ろうとしてしまった。
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「ええ、そうです……。あたしには……友達がいませんっ!」
彼女は、『誰とも友人関係になるつもりはない!』と語りたいのか?
でも、その本心はきっとちがうように、僕には思えていた。
月曜の昼休み。桃猫は食堂で、スペシャルいちごパフェを食べることになった。
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「んーっ!」
おっきいパフェをおいしそうに「んーっ!」と頬張る桃猫は、可愛さの結晶体みたいなものだったが。
最初、桃猫はやる気満々で食べていた。無表情のどこかに闘志がみなぎっていることが、僕だけに分かっていた。
かわいい桃猫の写真を、花畑で記念撮影しようと試みる。
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「SNSに写真アップするには、あたしの許可が必要ですよ?」
僕は、露店で花冠を買って、桃猫にプレゼントしてあげた。
どんな反応を返してくれるか不安だったが、瞳がキラキラしていたので、うれしいようだった。