私の名前はオティーリエ・シェフィンコ。王太子妃に嫌われていて、“悪役令嬢〟と呼ばれている。
「わたくしには疚しいことは何もございませんから」
平民になることを目指している私に、学園生活二年目にして二人の友人が出来た。
何を考えているか分からない素性を隠しているようなイフムート。
王太子妃や第二王子たちに好かれている“運命”の人であるナーテ様。
残り半分の学園生活がどんな風になるのか、私には想像がつかない。だけどこれからの学園生活を思うと私は何処か楽しみな気持ちを感じていた。
ここは私のお気に入りの場所なの
「オーリーって、本当に全然“悪役令嬢”なんかじゃないよね」
学園で初めて出来たお友達と出かけられることになったのに、ここで終わりなのももったいない気がする。
「オーリー、またこうして出かけようよ。今回はこれで終わりにしてもいいんじゃない? オーリーも今回はしゃいでいるから明日に影響しちゃうかもだしさ」
「も、もうちょっと遊ぶの。それに私、子供じゃないんだからそんなに明日にまで影響なんてしないわ」
お前!! ナーテをどこにやった!! 私は運命を見つけたのだ。お前が王子妃になれることはないからな!!
「ええ。存じておりますわ」
第二王子たちは、私の姿を見て嫌そうな顔をする。
私は恭しく頷く。
本当にこの人と話していると疲れてしまうものである。