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発達障害の子を持つ親の心が楽になる本

外科医ちっち:著者

「かわいいけど、つらい……」心が折れそうになったことがあるお父さん、お母さんへ

まず親がラクになれば、子どももラクになる。

■はじめに

「あれ? うちの子、ちょっと変かな?」

発達障害の診断を受けるか受けないかは別にして、子育ての中で、こう感じる親御さんは多いと思います。
私は現役の外科医として働いています。医師として多少は小児科領域の医療知識がありますが、それでも子どもの言動に違和感や疑問を感じながらの子育てでした。
それは、我が子3人のそれぞれが「自閉スペクトラム症」の診断を受けてからも同じです。診断されても、

「結局は、親はどうしたらいいのか?」

ということが、診断と同時にわかるわけではないからです。

私は、一番上の長女が診断を受ける前後、妻と2人で発達障害や自閉スペクトラムについての情報を集めました。専門的な医学書を見ると、診断基準や大枠の対応はわかるものの、具体的に長女に対して、個別にどうしたらいいかはわかりません。
実際に現在進行形で子育てしている立場からすると、書かれている内容に矛盾を感じたり、後出しで批判できたりすることがたくさんあるからです。

一方、一般向けの本やインターネット上で発信されているいろいろ情報は、「発達障害の子が○○式子育てで上手くいった」という自慢、布教の本や、「困った行動の原因は○○という栄養の不足」のような医学的な常識とはかけ離れた怪しい本、「そのままを受け入れましょう」のような、当事者側からすると「今が苦しいのに、受け入れてどうするの?」とつっこみたくなる本ばかりでした。

我が子の診断を機に、多くの本を読みましたが、残念ながら自分が読みたい内容の本はほとんどありませんでした。数少ない、役に立ちそうな本を読みながら実践もしましたが、ほとんどうまくいきませんでした。

そもそも、本に書かれている内容を実践すること自体が大変です。普段から親が介入しようとしても、本人は興味がないし、問題行動の最中に話しかけても、本人に理解する余裕がありません。親がいくら頑張ってもうまくいかないので、親はどんどん余裕を失っていきます。こうなると、

「正しことをやっているはずなのに、うまくいかない」

「自分が悪いんだ」
「正しい介入を受け入れてくれない子どもが悪いんだ」

という負のスパイラルに簡単に陥ってしまいます。

発達障害の子を3人を育てている親として断言できるのは、

「正しい介入をしても、子どもはすぐには変わらない」

という事実です。ほとんどの本には書いてありません。

とはいえ、親が子どもへ適切な介入方法を勉強すること自体には間違いなく価値があります。「言葉遣い」や「環境調整」に意味はありますが、同時に、親がどれだけ適切な介入をしても、子どもが変わるのは数年~数十年後だったり、まったく変わらなかったりすることは十分にあり得ます。

では、私の子のような「変わった子」の子育てで、親にとって一番大切なことは何でしょうか?

それは「【親側の余裕】」です。

子どもに対して「あなたが大切」と伝え、扱うのは大事です。でも、親が同じように自分自身に対して「自分も大切」と自分自身をきちんと扱うことも大事なのです。このことが結果として親の余裕を生み出し、家庭の緊張感を減らし、言葉遣いや環境調整の成功率を上げ、結果的に子どもの人生を楽にしてくれるからです。

そんな思いを抱えつつ、自分たちの子育ての日々の試行錯誤の記録をSNSやWebメディアで発信し続けてきました。

この本に書かれていることは、余裕を持ってすべてのことを受け止めたり、その都度、完璧に適切な対応をとったりはできない「凡人の親」が、「意識して余裕を確保する」ために実践していることです。
私が実践していることは、子育てで壁にぶつかる親御さん(診断に関係なく)をラクにしてくれます。その結果、子どももラクになるはずです。

発達障害の子の親御さんは、知らず知らずのうちに気を張り詰め、自分を追い詰めてしまいます。発達障害の子の「親による」「親のため」の「親が変わって、親も子がラクになる」本にしたつもりです。そういう本を、まだ見たことがなかったからです。

本書は、自分と同じように大変な子育てをしている親御さんが「戦略的に余裕を持つ」ために書いた、我が家のリアルな記録です。

「今の生活」が少しでも楽になり、親御さんが余裕を確保でき、上手に子どもへ介入できるようになることを願っています。

2024年 外科医ちっち

■第1章 「発達障害の子」の子育ての現実
・すべての子育ては理不尽。発達障害の子であればなおさら
・支援は申請しないと受けられない
・学校は慣習を優先させるので親は疲弊する
・「環境調整」や「言葉かけ」を頑張っても、短期的には効果を感じにくい
・親が考え抜いた対応を、子ども本人が台無しにすることもある
・まず変わるべきなのも、実際に変われるのも親
・「環境調整」も「言葉かけ」も、まず「親が変わる」ためのツール

■第2章 親に求められる「理想」と「現実」のズレに向き合う
・「環境調整」も「言葉かけ」も、まずは「今の親のため」
・親が「自分自身を大事にしている」様子を見せるのが大切
・自分が無理に理想を追うと、努力が見えにくく、周囲にイラつきやすい
・常に正解は子ども側にあるが、具体的には教えてもらえない
・親の介入が正しくても、子が適切な行動をするとは限らない

■第3章 「環境調整」「言葉かけ」の目標と方法論
・客観的に見てどれほど不格好であっても「できることをする」
・「やってはいけない」ことはあっても、正解はない
・何よりも優先する大原則は、親子ともに「楽」であること
・親と子の両方に余裕がないと改善はできない
・結果は約束されていないが、努力は無意味ではない

■第4章 「環境調整」の具体例
・手当たり次第に「余裕を産み出す方法や環境」を探す
・理想は「ストレスなく、自然と適切な行動をとれるように」だが、難しい
・ずっと成り立つ環境調整はほとんどない
・少しでも親子の手間が減ったら「勝ち」!
・「何かをやらなければならない」を意識し続けるのは大きなストレス
・お互いに「嫌なことをやらずに生活が回る」よう仕組みをつくる

■第5章「言葉かけ」の具体例
・「意味の正しさ」ではなく、子どもの感覚に「通じる言葉」を探す
・毎回通じる正解は、存在しない
・実際には言葉よりも態度のほうが大事
・自分の感情を落ち着いて一度整理すると、子どもにかける言葉は変わる

■第6章「試しても上手くいかない……」そのときに親ができること
・親だって「辛い」と言っていい
・今のどんな介入も効果がなく、成長しない限り、改善しないことも多い
・どんなに標準から外れても、遅れても、無理にこだわって親子で消耗するよりいい
・障害があると過剰に適応を求めてしまいがち
・親だって、他の人だって、できないことがいくらでもあることを意識する

■第7章 「今、笑って生活できること」が持つ確かな価値
・原因を探るための観察も、子に合わせた提案・介入も、余裕が基礎になる
・結局、「何が将来につながるか」は親にもわからない
・成長に驚かされる日々。親が焦らなくても、できるようになることは多い
・親が「等身大」でいることの大切な意味
・支援も配慮も、結局は全部、「我が家なりの子育て」
・周囲から見たら変だけど「親から見たら変じゃない子」の親でいる

定価:1,870円(本体1,700円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2024年9月29日(日)
  • ISBN:978-4-8156-2314-2
  • サイズ:A5判
  • ページ数:224
  • 付録:-

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著者紹介

著者・外科医ちっち

現役外科医。趣味は読書。のんびり40代。13歳娘、11歳息子、7歳息子、それぞれ自閉スペクトラム症。妻は元看護師。多くの方に発達障害のことを知ってもらうことで、皆が生きやすくなることを目指している。X(旧Twitter)のフォロワー数は約1.7万人(@surgeontitti)。ブログ読者は約4,000人。
https://twitter.com/surgeontitti

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