
暴走するプライバシー
テクノロジーが「暴き屋」の武器になる日
21世紀、プライバシーの復権はなるか!?
商品化する個人情報。マイク・ビデオ・衛星による監視、医療記録・遺伝子情報の悪用、収集したプロフィールから恐るべき予測をする知能コンピュータ。本書は、テクノロジーがプライバシーに与える影響を検証し、いかに軌道修正すべきかを提言した書である。
(原著)Database Nation : The Death of Privacy in the 21st Century
目次
Chapter1 プライバシーの危機
プライバシーとは何か
テクノロジーの役割
政府の役割
プライバシー復権の兆し
なぜこの本を書いたのか
Chapter2 データベースネーション
ナショナル・データセンター構想
20世紀末の状況
データベ-スネーションの歴史
悲劇は誰にでも起こりうる
なりすまし―盗まれた「自分」
データベースネーションの過去と未来
データバンク社会の将来
Chapter3 絶対確実な個人認証
赤ん坊は誰の子か
人体測定による人相書
指紋の科学
DNA鑑定
コンピュータ化された生物測定法
個人認証の対象は「人間」ではなく、あくまで「人体」
Chapter4 今日は何をした?
データシャドーの影響
情報の危機
誤データシンドローム
追跡プロセス―自分の情報が不利に利用される過程
世界最大のデータベース
公的発言の時代
コンピュータ内蔵機器がデータバンクの威力を発揮させる
情報時代の流れを遅らせる
Chapter5 天空からの眺め
プライバシーのない「公共の場」
おい、俺の家があるぞ!
天空の目
地上の目
一般大衆の監視ビデオ活用法
ライブカメラのWebサイト
「オフ」スイッチを探し求めて
音響監視と盗聴
組織立った科学的な監視システム
わたしたちがとるべき第三の道
Chapter6 自分の将来を知る
プライバシー保護をめぐる思惑と現実のギャップ
医療記録がつむぎだす「いい加減な作り話」
医者にはあなたのプライバシーを守る義務がある
保険会社にはあなたのプライバシーを守る義務が無い
嘘をつかざるをえない医者たち
自分について知る権利
患者記録のコンピュータ化:長所
患者記録のコンピュータ化:短所
別の「脅威」
医療と医療保険を見直す
Chapter7 ターゲットはあなた
ジャンクメールとジャンクピープル
マーケティングと情報の危ない関係
ダイレクトマーケティングのからくり
目には目を、歯には歯を
Chapter8 個人情報は誰のものか
個人情報を保護する法律の必要性
自分の足は自分のものか
自分の本は自分のものか
自分の行動は自分のものか
情報の所有権を主張して、プライバシーを守り抜くか
Chapter9 狂人とテロリスト
爆破事件とテロ対策
大衆化した破壊技術
死のシャーレ
変化するテロリズム
ドメスティックテロリズム
Chapter10 失礼ですが、あなたは人間ですか
「模造」人間は信頼できない
ELIZAとその子供たち
エージェントとしてのコンピュータ
アバターにもプライバシーの権利を認めよう!
Chapter11 いまこそ、プライバシーを守ろう!
テクノロジーは中立ではない
21世紀、連邦政府が直面するプライバシーの課題
金でプライバシーを買う
過激なプライバシー保護活動家
最後に