標準を知る。

本書は Linux プログラミングの入門書です。つまり、本書を読むことで読者のみなさんがLinux 向けのプログラムをバリバリと作れるようになる、あるいはそこまでいかなくとも、そうなるために何が必要なのか判断でき るようになることを目標としています。
では、本書はどのような道筋をたどってその目標を達成 するのでしょうか。簡単です。本書がやることはただ 1っ、「Linux 世界が何によってできているのか」を教えることです。
本書の目的

Linux世界を構成する概念
● ファイルシステム
● プロセス
● ストリーム
Linuxプログラミングを理解するためにはこの3つの概念をよく理解しなければならないということです。そして、それこそが本書の目的です。
第1部

第1部では、3つの重要な概念を含む、本書全体の基礎となる用語を解説します。
この部分はなかなかソースコードが出てこない上にいくぶん長いのですが、ここを乗り越えると一気に楽になるので、我慢してお付き合いください。
第2部

第2 部では、ストリーム・ファイルシステム・プロセスのそれぞれについて、具体的なプログラミング手法の解説を行います。その過程では、それなりに大きなプログラムも作成していきます。
第3部

そして最後に第3 部で、これまでの知識が実用に足るものであることを示すため、応用例としてネットワークプログラミングを扱います。題材とするのはHTTPサーバです。