
「俺はお前を信用していないので逃げる!」
「だめーっ!」
「逃がさないから……話が済むまでここから出さないから……」

「ぐううううっ……!」
そこへ姫沙が降りてきて、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「あら、どうかしたの? 私のタイツを見て欲情したのかしら?」
「タイツ……?」

「わたくし……、緊張してしまって……。なにを話したらいいのか分からないんですの……。帝様にお会いできる日を、ずっと楽しみにしておりましたから……」
北御門帝(きたみかど・みかど)

日本を支えてきた政治一家の御曹司。帝王学を叩き込まれてきた代わりに恋愛耐性が全くない。宿敵である姫沙のことが好き。
南条姫沙(なんじょう・きさ)

日本を陰から牛耳るフィクサー一家の後継者。有能なはずが、帝のことになると激しくポンコツ化するほど恋している。
静川凜花(しずかわ・りんか)

日本有数の財閥の娘で、帝の許嫁。帝に恋し、自ら婚約を希望した。お淑やかなお嬢様だが、帝を手に入れるためなら手段を問わないところがある。