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[Si新書]「ロウソクの科学」が教えてくれること

マイケル・ファラデー:著者 / 尾嶋好美(編訳):編集 / 白川英樹:監修

炎の輝きから科学の真髄に迫る、名講演と実験を図説で

2019年のノーベル化学賞受賞が決まった吉野彰さんが、科学に興味を持つきっかけになったという『ロウソクの科学』。2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんが大きな影響を受けた本としても知られます。

『ロウソクの科学』は、まさに「もし19世紀にノーベル賞があったら、彼は幾度も受賞したはず」と異口同音に言われるほど、化学・物理の業績を多くあげたマイケル・ファラデーによる、講演の記録です。

彼は、一般の人たちがワクワクするような実験を見せながら、「ロウソクはなぜ燃えるのか」「燃えている間、何が起きているのか?」という謎を解き明かしていきました。さらには、空気や水、金属、生物といった、この世界を形作るものの仕組み、美しさもつまびらかにしていったのです。

本書では、この講演を紙上に再現。今までの国内翻訳書にはない、再現可能な実験の写真や図解を掲載し、完訳ではなく抄訳によって、話の流れをわかりやすくしています。

また、物語としても読める親しみやすい構成とし、巻末には化学式によるまとめも用意しました。産業革命によって大きく時代が動いた当時と同じように、現代にも通じる知恵がつまった歴史的講演をぜひ!

第1講 ロウソクはなぜ燃える?
第2講 ロウソクはなぜ輝く?
第3講 燃えてできる水
第4講 もう一つの元素
第5講 空気の中には何がある?
第6講 息をすることとロウソクが燃えること
付録 全6講で起こったこと

キーワード:ロウソク, ろうそく, ローソク, ノーベル賞, ローソクの科学, ろうそくの科学

定価:1,100円(本体1,000円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2018年12月15日(土)
  • ISBN:978-4-7973-9748-2
  • サイズ:新書/フルカラー
  • ページ数:192
  • 付録:-
人々をワクワクさせた、実験と談話を再現

もし19世紀にノーベル賞があったら、この人は幾度も受賞したはず……。そうも言われている化学・物理学者のファラデー。彼が、一般の少年少女や大人たちを前に、数々の実験を見せながら科学の真髄を示した名講演を、わかりやすくまとめました。再現可能な実験の写真を多数掲載。

難読の名作を“新訳”で最後まで!

ファラデーの講演録『ロウソクの科学』は、感動のラストが待つ歴史的名作でありながら、完読を断念する方が非常に多いのも事実。そこで本書では、原著の完訳ではなく抄訳とし、話の流れをはっきりさせることで、読み進めやすくしています。

今までの和訳書にない実験写真が多数

講演中、ファラデーはたくさんの実験を聴衆に見せつつ、科学の真髄に迫っていきます。その実験こそが人々をワクワクさせ、理解を深める大きな助けとなりました。そのため、本書では、実験を再現した写真をできるだけ交えて解説しています。

図解も添え、ストーリーを追いやすく

実験の写真だけでなく、イラストや模式図、当時の絵画といった参考資料なども収録しました。講演録のストーリーはそのままに、現代では想像しにくい歴史的な事柄や、現代の科学とは異なる部分についても補足し、わかりやすく構成しています。

再現した演技実験の例 ロウソクを「引く」

よく「ガスを引く」と言いますが、ファラデーは「ロウソクを引いて」見せます。ロウソクの炎の中にガラス管を差し込むと何かが出てきて、火を近づけると燃えるのです。これは何でしょう?

不思儀な「水」の性質

ロウソクと水には不思儀な関係があります。そんな水の有無を調べるのに使われたのが、カリウム。水の中にカリウムを入れると、非常に激しく反応し、すみれ色の炎を上げて水面を動き回ります。

酸素が助けること

ファラデーは、水から水素と酸素を取り出します。そして木片に鉄線を巻きつけ、空気中で火をつけてから、酸素の中に入れました。すると、木片だけでなく鉄も燃えだし、火花が生じます。

ご家庭で試せる実験は、材料や手順も紹介 重力に逆らってのぼる液体

高く盛った塩で、毛細管現象の威力を目のあたりにできる実験。ファラデーは言いました。「青い液体をロウ、食塩の柱をロウソクの芯だとしましょう。ほら、青い液体は柱をのぼっていきます」

炎の「美しい舌」

講演当時、流行していた遊び「スナップドラゴン」を応用した実験。炎の形やその変化がよくわかります。安全面に十分注意し、本書記載のコツをおさえて楽しみましょう。

空気鉄砲

さまざまな性質をもつ空気。この空気を利用して、ジャガイモの弾丸を飛ばします。ファラデーの時代には、細い紙の筒やアシの茎が使われていましたが、今は硬めのストローで簡単にできます。

著者紹介

著者・マイケル・ファラデー

編集・尾嶋好美(編訳)

監修・白川英樹

監修者
白川英樹(しらかわ ひでき)
筑波大学名誉教授。1936年、東京府(現・東京都)生まれ。小学校から高校卒業までを飛騨高山で過ごす。東京工業大学理工学部化学工学科卒業、同学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。東京工業大学資源化学研究所助手、ペンシルベニア大学博士研究員、筑波大学助教授、同教授をへて、同学を定年退官。2000年、「導電性ポリマーの発見と開発」により、アラン・マグダイアミッド、アラン・ヒーガー両教授とともにノーベル化学賞を受賞。現在は子どもを含めた後進の育成に励んでいる。

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