

「……今、どこか行きたいところはあるか?」
「レギオスの故郷。行ってみたい」
「そうか、じゃあ行こう」
「今から?」
「あぁ、今からだ」

「お腹空いたでしょ? お昼にしよう」
「おお、ありがたい」
「手、汚れてるから、私が食べさせてあげるね」
「ありがたいけど、布巾で拭ふけばいいから……」
「いいから、さぁ口を開けて」

「……あー、あー、聞こえるわ。こちらはテレーズです。どーぞ」
「おお、テレーズか。こちらはレギオスだ。どーぞ」
「レギオスっ!?」
「あんた、どこほっつき歩いてるのよ! いきなりいなくなってさ、こっちは大変だったのよ!?」

「いやー久しぶりにレギオスと会えたと思ったら、まさか子持ちになってるとはねー。しかもカワイイ! あ、自己紹介がまだだったわね。私はメープル=ハート。神サマの忠実なる使徒の1人。よろしく」

「……ともかく事情はわかったぜ。きつく当たってすまなかったな。だがもう安心してくれ、俺はお前らの味方だ。困ったことがあったら何でも言ってくれていいからな!」
ジークは逞しい胸を、ドンと叩いた。

「我が名はアレン=ジャスティ。ゼオン=ジャスティの子だ! レギオス=リーンドラド、皇帝陛下の命により、貴様を捕らえに来た! かかれ、者ども!」