あまりにも眩く、あまりにも貴い、朔良との思い出が甦る。

「それっ! あはは、イッチも遠慮しなくていいよ」
水遊びに興じる朔良は楽しそうで、年端もいかない少女のように笑っていた。
その姿は、正に女神のようだった。
違う、朔良じゃない。――彼女は、ルナだ。

「わぁ、綺麗……。かわいいね、線香花火」
パチパチと、儚い火の粉を散らして輝く線香花火。
その小さな光を、ルナは愛おしそうに眺める。

伊東 朔良(いとう さくら)
「そうだよね。将来の事なんて、まだ分からないもんね」
一悟の初恋相手だった幼馴染の少女。故人。
※一悟の回想シーンで登場します。

星神 ルナ(ほしがみ るな)
「私の中の世界が、どんどん広がっていく感じがする」
高校一年生。一悟の職場でバイトを始める。
一悟との【適切な】距離感に悩みつつ、どんどん魅かれていく。