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植物に死はあるのか

稲垣栄洋:著者

生命の不思議をめぐる一週間

植物は死なない!?植物学者が思索する生命論

人気植物学者が贈るサイエンスミステリー。
生命の本質に迫る一週間には、驚きの結末が……。
極上の読書体験間違いなしの一冊。

大学で植物学を教える教授のもとに
ある日、届いた一通のメール。
内容は植物にまつわる素朴な質問……のはずだった。

質問に誠実に答えようとすると、
どうしても考えなければならない問題がある。

生命とは何か?
死とは何か?
生きるとは何か?

ある一週間における
植物学者の思索の物語。

プロローグ 命を考える一週間
月曜日 どうして植物は動かないのか?
大学教授の朝
・どうして植物は動かないのか?
・植物が動かない理由
・独立栄養生物と従属栄養生物
・光合成はすごい!
・古代の地球に酸素はなかった
・禁断の酸素
・モンスターに支配された惑星、地球
・「植物は動かない」は本当か?
・動かない動物たち
・植物は人間の想像力を超える
・アリストテレスにとっての「植物」
・プラトンにとっての「植物」
・月曜日の答え
火曜日 植物と動物はどこが違うのか?
学問は「そもそも」から始まる
・植物の定義
・分類の難しさ
・動物と植物はどこが違う?
・植物と動物の決定的な違い
・植物細胞の戦略
・「葉緑素を持つのが植物」は本当か?
・ウミウシとミドリアメーバー
・全生物最終共通祖先「LUCA」
・シアノバクテリアの存在
・誰にもわからないミステリー
・進化の不思議
・火曜日の答え
水曜日 草って何?
草のスピード感
・草と木の意外な関係
・裸子植物と被子植物
・被子植物はなぜイノベーションなのか?
・そして植物は小さな草に進化した
・どうして長寿より短命を選んだのか?
・植物が手に入れた「確実性」
・すべての生物は死にたくないと思っている
・水曜日の答え
木曜日 木は何本あるのか?
春の風物詩にまつわる疑問
・ソメイヨシノの特殊性
・タネで殖やすか、枝で殖やすか
・ソメイヨシノはクローン
・孫悟空は一人か二人か?
・大学教授の非常食
・バナナと温州ミカンの共通点
・減数分裂と三倍体
・三倍体の動物がいない理由
・それでも種子を作るのはなぜか?
・栄養生殖の危険性と種子繁殖の利点
・栄養繁殖と人類史
・ラメットとジェネット
・接ぎ木は何がすごいのか?
・ソメイヨシノの接ぎ木
・接ぎ木の本体はどっち?人魚の本体はどっち?
・臓器移植を考える
・木曜日の答え
金曜日 木は生きているか?
木の柱は生きている!?
・木は生きながらに死んでいる
・人間と木の共通点
・脳と生死生命の本質とは?
・繰り返される生と死
・テセウスの船
・私とは何?私の心はどこ?
・私の本質
・フランケンシュタインの思い
・金曜日の答え
・大学教授の悩み
土曜日 植物は死ぬのか?
死なない生物
・永遠に分裂を繰り返す
・「死」という発明
・老いの不思議
・死へのカウントダウン
・老いは進化の証
・細胞の役割分担
・「死」が生まれるまで
・分化全能性
・分化全能性の消失と再現
・植物は死なないのか?
・HeLa細胞
・自然はSFよりも奇なり
・生物は遺伝子の乗り物に過ぎない
・より優れた乗り物へ
・コピーのために死ねるか?
・死ぬ繁殖、死なない繁殖
・生きているとは?
・生物の条件
・土曜日の答え
日曜日 植物は何からできているのか?
最後の質問
・植物のデザイン
・宇宙と生命をつなぐもの
・日曜日の答え
エピローグ 最後のメール

定価:990円(本体900円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2023年7月6日(木)
  • ISBN:978-4-8156-1895-7
  • サイズ:新書
  • ページ数:216
  • 付録:-

著者紹介

著者・稲垣栄洋

1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省。静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職。著書に、『生き物の死にざま』(草思社)、『身近な雑草の愉快な生きかた』(ちくま文庫)、『弱者の戦略』(新潮社)、『たたかう植物』(筑摩書房)、『面白くて眠れなくなる植物学』(PHPエディターズ・グループ)などがある。

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