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愛着障害と複雑性PTSD

岡田尊司:著者

もう一つのグレーゾーン

生きづらさの原因となる2つの障害「愛着障害」と「複雑性PTSD」をわかりやすく解説

長年、発達障害、愛着障害を研究し続け、豊富な臨床経験を持つ精神科医が、
現代人の生きづらさの原因を紐解く!

生きづらさを紐解くうえで、かかせないのが「愛着障害」と最近の研究で認められた「複雑性PTSD」である。
たとえば、最近増えている「発達障害グレーゾーン」の人をみるとこれらの2つの障害のどちらか、もしくはどちらも抱えている人は多い。

グレーゾーンに限らず、
現代人の生きづらさに愛着障害と複雑性PTSDがおおいにかかわっている。
本書では、生きづらさの背景にある愛着障害と複雑性PTSDについてわかりやすく解説し生きづらさの克服法を提示する。

●愛着障害:親など養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じる
●複雑性PTSD:命の安全が脅かされなくとも 慢性的持続的なストレスが続き、心の傷が折り重なって生じて起こるPTSD。感情の調整や対人関係に困難が生じ、日常生活や社会生活上に大きな支障をきたす

はじめに 不安定な愛着とトラウマ
●第一部 愛着トラウマと複雑性PTSD
第一章 生きづらさの正体
・一般人口の三割を超える愛着障害
・トラウマで苦しむ人の増加
・愛着スタイルと愛着トラウマ
・愛着障害と複雑性PTSDの違い
・愛着障害はトラウマ理論で説明できるのか
第二章 トラウマとPTSD
・トラウマとは何か
・戦争とPTSD サリンジャーの場合
・強制収容所体験とPTSD エリ・ヴィーゼルの場合
第三章 愛着トラウマと複雑性PTSD
・不安定な愛着環境と複雑性PTSD
・Wさんの場合
・マリリン・モンローの場合
・Sさんの場合
・ヘルマン・ヘッセの場合
・マーシャ・リネハンの場合
・どんどん悪化する病状
第四章 複雑性PTSDの症状と診断
・本人の意思を奪う「全体主義的な支配」
・複雑性PTSDの診断に必要な要件
(1)侵入症状
(2)回避
・Fさんの場合
・回避は回復のチャンスを遠ざけてしまう
(3)過覚醒・神経の過敏反応
(4)感情や認知(思考)のネガティブな変化
・複雑性PTSDの診断に必要な追加項目
(5)感情制御の困難
(6)否定的な自己概念
(7)対人関係の困難
・サリンジャーのその後
・それ以外にも、伴いやすい症状
(8)慢性的な身体不調
(9)認知機能の障害と擬似発達障害
・発達特性とトラウマの悪循環
(10)合併しやすい精神疾患・行動障害
・愛着トラウマと未解決型愛着スタイル
第五章 脳・心・体で何が起きているのか
・PTSDを理解するための理論
(1)ジャネの心理分析
(2)情動処理理論と持続エクスポージャー療法
(3)眼球運動とトラウマ処理 EMDRとその応用
(4)情報処理理論と社会認知理論
・トラウマの認知処理モデル
・社会的認知モデル
(5)ブレウィンの二重表象理論とその影響
(6)神経生理学的な知見
・脳レベルで何が起きているか
・ポリヴェーガル理論とトラウマ
(7)ラヴィーン「解消されない不動反応」
・行動のブレーキを解除する ソマティク・エクスペリエンジングに学ぶ
(8)トラウマを防ぐ仕組み
・愛着障害と脳
・愛着システムの活性化が不動化を終了させる
・トラウマは反撃できない状況で生まれやすい
●第二部 愛着トラウマを克服する
第六章 回復のための理論と方法
・愛着トラウマが面倒なのは
・最終的に問われるのは、本当に回復したいのか?
(1)認知に働きかけるアプローチ
・見方が変わると逆転が起きる
(2)行動に働きかけるアプローチ
・現実に対処するスキルを高める
・問題解決を困難にする二つの要因
(3)メンタライゼーションに働きかけるアプローチ
・MBTによる治療例
(4)マインドフルネスなどの身体的アプローチ
・マインドフルネスによるトラウマケア
(5)再体験による処理と再統合的
・ナラティブ・エクスポージャー・セラピー
(6)主体性を取り戻し、回避を克服するアプローチ
・エリクソンの場合
(7)解離を扱うアプローチ
・トラウマと解離
・C・G・ユングの場合
・さまざまなレベルの解離
・人格の部分(パーツ)を扱う
・解離症状と脳
・解離がひどいケースへの対応
・内的家族システム、自我状態、パーツ・アプローチ
(8)愛着アプローチ
・トラウマを取り除くだけでは足りない
・症状や困った行動には意味がある
・「この子に死んでほしい」と思ってしまう
・絶体絶命のピンチから
第七章 回復のステップ
・身近に増え続ける愛着トラウマや複雑性のケースと医療の限界
・予後(回復)を左右する要因
・克服につながる向き合い方
(1)安全基地の確保
・安全な場所と時間を確保する
(2)思いを語り、受け止められること
・体験を語り、共有されることの大切さ
・トラウマを扱えるようになる前に立ちはだかる課題
(3)感じる心を取り戻し、自分とつながる
・感じないことで自分を守っている
・自分で自分をだましてしまう
・トラウマのある人では、自分の感覚を味わうのが苦手
・回避のパラドックス
・自己開示の力
(4)愛着トラウマと結びついた認知を変える
・あなたを縛る見えない縄をほどく
①二分法的思考と両価性(アンビバレンス)
・相反する気持ちに苦しむ根底に
・視点の切り替えが難しい場合のアプローチ
②自己否定を逆転させる
③自分の問題と他者の問題の混同
④とらわれと「べき思考」
(5)身体症状やパニックをコントロールする
・パニック発作をコントロールする
(6)フラッシュバックと情動反応をコントロールする
・情動反応への対処
・行動を縛る二つの情動 恥の感情と恐れの感情
(7)自分に何が起きたかを客観的に理解する
・気持ちの吐き出しと客観的な視点
・トラウマを乗り越えた状態とは
終章 自分の人生を生きる

定価:990円(本体900円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2024年9月7日(土)
  • ISBN:978-4-8156-2636-5
  • サイズ:新書
  • ページ数:256
  • 付録:-

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著者紹介

著者・岡田尊司

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。医学博士。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。京都大学大学院医学研究科修了。長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。現在、岡田クリニック院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達段階治療の最前線に立ち、現代人の心の問題に向かい合っている。著書に『アスペルガー症候群』(幻冬舎)、『愛着障害』(光文社)、『母という病』(ポプラ社)、『パーソナリティ障害』(PHP研究所)、『発達段階「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』『発達段階「グレーゾーン」生き方レッスン』(ともにSBクリエイティブ)などベストセラー多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に横溝正史賞を受賞した『DZ』、『風の音が聞こえませんか』(ともに角川文庫)などがある。

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