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料理で大切なこと
大切なことは、一人で我慢し過ぎないこと。辛いとか苦しいという言葉を心に溜め込んでは体に毒です。
そんな時は「お母さんはもう大変じゃ」と笑いながら口に出す。毒は溜めずに笑いと一緒に吐き出すのがコツです。すると少し元気が出てきます。皆さんも日々の仕事や子育てに手いっぱいかもしれません。でも料理をしている最中だけは、食べる相手のことを自然に思いやっているのではないでしょうか。だから、たとえ手抜き料理だって、相手を思う料理はおいしいんです。相手を思う気持ちがあれば、料理に自信を持っていい。私はそう思います。
そのためにも、まずはあなたの心がしんどくならないように。自分の声をちゃんと聴いてやることも、料理をするうえでは大切なことですよ。
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人生、どっかではええことがある
50代までの私は3日穏やかな日が続いたら、「明日はとんでもないことが起きるかもしれん」と、逆に怖くなるほど。とにかくトラブルと苦労の連続でした。
そんな私の生き方を見ていた近所の年配の人は、こう言って励ましてくれました。「恵美ちゃん、若い時の苦労は買うてでもしなよ。ほやけど年がいってからする苦労は辛いけんな。人生どっかではええことがあるけん。最後は良かれと思ってな、それを待って辛抱せられえよ」。周りの人たちは、私の生き方を認めてくれました。
こうやって毎日まいにち、一つひとつの問題を片付けていたら、いまようやく穏やかな日々がやってきました。暗闇の先の小さな光を目指して歩いてきたら、なぜか74歳でカメラのレンズという小さな光にたどり着いたのです。
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みんながよかったら、ちょっとでもよかったらいい
求める人には物事を惜しまず尽くせばいい。それをしといたら自分のことはしなくても何とかなる。
人のことは精一杯しといてあげたらいいけど、自分のことは控えめに。一升枡には一升分しか入らない。だから自分のことを一升分以上してしまうと溢れてしまう。それ以上は入らないんだから。自分のことは八分目までしておけばいい。あとの二合は世間が助けてくれる。
自分は控えめで、その分みんながよかったら、ちょっとでもよかったらいい。
これが私の人生の鉄則です。
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人生の勝負は、人との比較じゃない
あの人は勉強ができるのに、自分はできない。
あの人は仕事ができるけど、自分はできない。
あの人は結婚したけど、自分はできない。
こういう状況は、誰しも辛いものだと思います。世の中が平等だとも思いませんし、むしろ神様は不公平だと感じることさえあります。けれども、これらは人生の一通過点であって、これで人生の勝ち負けが決まるわけじゃない。そもそも人生の勝負って人との比較ではないと思っています。どんな状況にあっても、自分の人生をどう「いいほうへ」持っていけるか、どう「明るいほうへ」持っていけるか。それがその人自身の生きざまであり、腕の見せどころ。人生の勝負だと思っています。
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「いいほうへ」「明るいほうへ」
「みんな辛いけん。暗いほうへ目がいくのも仕方ないんよ。でもな、『明るいほうへ』『いいほうへ』って、心の中で唱えていたら、視線も気持ちも行動も、ちょっと上向きになれるんよ」
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恵美子さんのあったかレシピ
Recipe1 うまみがギュギュっと詰まったゆでないそうめん
Recipe2 心に余裕があるときに。優しい気持ちでつくる目玉焼き
Recipe3 がんばる元気が出ない日に。切って混ぜるだけの和え物
Recipe4 家庭訪問の思い出が詰まった「巻きずし」
Recipe5 心と体にじんわり沁み入るお味噌汁
Recipe6 お客さんのリクエストから生まれた「田舎そば川原」のカレー
Recipe7 血液さらさら、デブ菌退治の酢キャベツと酢玉ねぎ
Recipe8 心が落ち着く 甘くて優しい柏餅
Recipe9 レモンの酸味がさわやかな芋きんちゃく