
上司の強化書
セールスマネジャーズ・エクセレンス
著者が東証一部上場企業の1000名を超える営業マネジャーを中心に、これまで現場で応用・実践してきた研修・コンサルティング活動の数多くの企業での実績データ(内容・アンケート調査・追跡調査など)をフルに活用し、説く、個人として、そして組織としての「営業力強化の虎の巻」が本書である。
泥臭い営業現場においても、戦略構築力や分析力などは確かに必要なのだが、教室でテキストを見ながら勉強しても、ほとんど実践には役立たない。忙しい中で、どうすれば意味あるPDCAを回せるのか。そもそもPDCAとは果たして何か。Dを実行、Aを改善と呼んでいるうちはまだだめだ。
営業マネジャーが、的確な状況判断力を身につけ、正しい分析を行い、意味ある方向にチームを動かし、総合力を発揮するにはどうしたらいいのかを説明してある。
本書の最大の差別化要因は、著者が、多くの企業で実際に営業現場のマネジャーの活性化・育成に取り組んで、成果を挙げてきた研修やコンサルをベースとしている点。研修に際して行われた受講生(実際の営業所長など)との実際のやり取りや聴き取り調査(現場で具体的に何を苦労しているのかという声、何をどのように誤解しているのか、実際の阻害要因は何なのか、など)、課題に対する彼らの答えがデータベースとして蓄積されている。そこから、読者の腹に落ちるストーリーや実例が展開できるように解説してある。
■本書の構成(抜粋)
プロローグ あなたは本当にマネージしていますか?
第一章 現場の長だって、高邁な夢を見る
・マネジャーに一番求められるのは「巻き込む力」
・今一番必要なことは、現場が率先して計画を練ること
・営業部隊の成功・失敗は顧客が決めるもの
第二章 あなたはなぜPDCAを回さないのか
・修正しないですむ計画などというものはない
・PDCAは、見て見ぬふりのタブーも明らかにする
・部分最適に陥ることだけは避けてほしい
第三章 戦略はあなた自身が立てなければ意味がない
・3Cではなく4C分析にして精度を高めよう
・SWOTでは、未知の脅威を顕在化することも可能だ
・最後はリスク管理で未来に備えよう
第四章 ここまでやって、初めてPDCAは回り始める
・間違いだらけのPDCAの末路は、マネジャーの受難
・PDCAは細かく、大きく、多層に回すのが正しい
・市場シェアを高めるために彼らが行ったことは
第五章 有事のリーダーシップに優しさはいらない
・今は有事、だから平時のリーダーシップは語らない
・コミュニケーションを最も左右するのが傾聴力
・コーチングとは、部下に何かを教えることではない
エピローグ あなたが休めない間は、売上は上がらない
■著者紹介
保田健治氏 株式会社グローバルマネジメントコンサルティング 代表取締役
2001年より第一製薬で営業所長、新任エリアマネジャーなどの研修を担当する。受講生からの評判もよく、また実際に売上が上がっていることから、2006年まで継続、さらに三共と合併後も支店全体研修などを継続しているほか、田辺三菱製薬でも営業所長ワークショップ研修を開始するなど、製薬業界のカリスマコンサルとなっている。また2007年には、NTTデータアイテック、ダイハツ工業など製薬業界以外にも進出、さらに名古屋商科大学で講義、JMA(日本マーケティング協会)でトップマネジメント研修なども行うようになった。