危機の時代の「やる気」学
これまで崇め奉られていたアメリカ型経済の終焉という未曾有の変革期を迎えた今、必要とされるリーダーシップ、やる気、コミットメントとはどのようなものか。
モノが売れない、貸し剥がしが進む、株価はみるみる下がる、仲間はどんどん去っていく、ワークシェアリングに賃下げは当たり前、常態化するリストラ、迫りくる倒産の危機、買収の噂……そんなときに、中間管理職などのリーダーはどのように自分を奮い立たせ、部下のやる気をモチベートし、組織を活性化すべきなのか。その方法論について、明治大学大学院の野田稔教授をゲストに迎え、やる気、モチベーション、コミットメントの基礎知識、企業における事例を交えつつ、神戸大学大学院教授の金井壽宏が語り尽くす。
*本書は、『ビジネスインパクト』誌(ソフトバンク クリエイティブ刊)に二〇〇五年から連載された記事「やる気を考える」と、二〇〇九年三月九日に行われた野田稔(明治大学大学院)教授との対談を基に、再構成したものです。
【目次】
はじめに“動機付け”よりも“やる気”がいいと思うわけ
第一章 “やる気”の原動力は、緊張と希望のブレンド
第二章 いま必要とされるリーダーシップ
第三章 今、あなたは何にコミットするのか
第四章 持論を補強する九つの理論
第五章 組織を活性化させるための方法論
第六章 神なき時代のリーダーはいかに育つのか
■著者紹介
*金井壽宏[カナイトシヒロ]
1954年神戸に生まれる。78年京都大学教育学部卒業。80年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。89年マサチューセッツ工科大学(MIT)Ph.D.(経営学)。92年神戸大学博士(経営学)。現在、神戸大学大学院経営学研究科教授。リーダーシップ、モティベーション、キャリアなど、経営学の中でも人間の問題に深く関わるトピックを主たる研究分野としている。『働くみんなのモティベーション論』 (NTT出版、2006年) 『やる気! 攻略本』 (ミシマ社、2008年)など著書多数。
*野田稔 〔ノダミノル〕
ジェイフィール代表取締役社長、明治大学大学院教授
野村総合研究所経営コンサルティング一部部長、リクルートフェロー、多摩大学教授などを経て、現在に至る。日本を元気にしたい、働く人たちの感情ルネサンスを実現したいとの思いから、自身が所属していた「アミューズ」の支援を受けて、2007年にジェイフィールを設立。自ら夢を実現するリーダーとなるべく、新たな挑戦をしている。
著書に「中堅崩壊」(ダイヤモンド)、「燃え立つ組織」(ゴマブックス)、「組織論再入門」(ダイヤモンド)、「コミットメントを引き出すマネジメント-社員を本気にさせる7つの法則」(PHP研究所)、「企業危機の法則~リスク・ナレッジマネジメントのすすめ」(角川書店)他、多数。