かんなぎ家へようこそ!
「君、不幸そうだね」
「……宗教かなんかの勧誘かよ」
少女はきびすを返した。
「お願いだから待って! あなたのために話をさせてください!」
「宗教じゃねぇかよ! おまえはいったい、なんなんだよ!?」
「巫遍。……変態さ」
「あたし帰るわ」
人の幸せを願わずにいられない。
それが僕こと座敷童子たる巫遍の生きる道だ。
だからこそ、孤独系不幸を抱えた少女、帯ちゃんにも声をかけずにはいられない。
そんなわけで帯ちゃん――
「かんなぎ家へおいでよ!」
第2回GA文庫大賞奨励賞受賞の残念コメディ!