
私は「暮らすこと」が大好きです。世の中には、政治、経済、アート、自然などさまざまな世界が広がっています。そこで知ったことを、家に持ち帰り、ビジネスの話を掃除の能率へ、アートをティータイムのひと時へと、毎日の中に落とし込む。そうやって、世界を自分のものにしていく場が「暮らし」だと思っています。短時間でごはんを作ることも、手をかけずに部屋をこざっぱり保つことも、私の在り方、生き方へとつながっています。 この本では、面倒くさがりの私が、毎日時間に追いかけられながら、「それでも」と暮らしを楽しむために普段やっていることを綴りました。丁寧に暮らしている暇はないけれど――。「けれど」の先にある、自分らしい日々が愛おしくてたまりません。
一枚のキッチンクロスを清潔に、大切に、長く使いたい

わが家は二人暮らしなので、2回洗濯機を回すほど洗濯物は多くないし、忙しい朝にはそんな時間もない。そこで「ふきんを煮る」ことにしたわけです。たいして汚れていなければ、お湯でグラグラ煮るだけでOK。油がついたりすると、重曹をひとさじ。泡立たないのですすぎも手軽です。臭いも取れて、簡単にさっぱりすっきり! パンパンとシワを伸ばして干したら、私の一日が終わります。
お買い物の後は、「片づけシステム」を再構築

昨年キッチンワゴンを買いました。結構大きなサイズなので、邪魔になるかなと思ったのですが、これが大正解! よく使うものをすべてここに集結させたら、日々のごはんのしたくがぐんとラクになりました。360度から出し入れできるのが、ワゴンのいいところ。新しいモノを買ったときがチャンス! 今までの方法をリセットし、新たなシステムを再構築します。
靴磨きはしなくても、コンポートは作る

ヨーグルトを食べるときのお供にと、一年中なんらかのくだものでコンポートを作っています。初夏から秋にかけては桃。秋は洋ナシ、冬はりんご。作り方は簡単です。鍋に氷砂糖ひとつかみと、白ワイン1カップほどを入れて、皮をむいてひと口大にカットしたくだものを加えて煮るだけ。15分ほどで完成です。ペクチンが加わり、適度にねっとりし、さわやかな香りのコンポートになります。
「意志」や「やる気」で続けるのは無理

私がたまにゴミ箱を拭くとしたら、一日の終わり、つまり夜でした。でも、器を洗い、シンクまわりをきれいにしたら、もう疲れて、ゴミ箱は「ま、いいか」とパスしてばかり。そんな私が、朝「ゴミ捨てのたびに」やるようになると、週に2回は必ず拭くようになったのです。これは、まさに奇跡のようなこと!そんな経験を経て、家事で大切なのは「流れ」なんじゃないだろうか、と思うようになりました。
塩やオイルのおいしい組み合わせを知っておく

料理家さんや、素敵な暮らしをしている方のお宅の冷蔵庫に、絶対にないもの、それが市販のドレッシング。取材で知って、私もドレッシングを買わなくなりました。たしかに、防腐剤などいろいろなものが入っているし、ずっと同じ味だと飽きてしまいます。結局日々のごはん作りは、手をかけることより、いかに自分好みの「おいしい組み合わせ」を知っているかなんだと思うのです。
トップスよりボトムスが白のほうが垢抜ける

白はどんな色も受け止めてくれる幅の広い色。ネイビーやグレーのほか、ボーダーも柄物も、手持ちのトップスをほぼすべて合わせることができました。コーディネート力に自信がない人、あれこれ考えるのが面倒なズボラさんほど、白の投入は効果的。あれ? なんだか私おしゃれになったみたい?と鏡の前でニンマリするはずです。