多くの人が問題解決に失敗する本当の理由

問題解決スキルがなかなか身に付かず、問題解決に時間がかかる人には、ある1つの共通点があることがわかりました。それは、「自分の過去の経験に基づいて判断するという思考から、なかなか抜け出せない」ということです。要は、自分の経験則に依存しすぎているということです。ITの進化により、誰も経験したことがない世界に突入しようとしている私たちにとって、過去の自分の成功体験や経験則にばかりしがみついている人は、この先は生き残ることができない、というぐらいの危機感を持ったほうがよいのではないかと、私は思っています。
99%の人が陥る「ある間違い」

【クイズ】あなたの同僚Aさんがあなたに「頭が痛いんだよね」と言ってきました。さて、あなたはAさんに、第一声、どんな声をかけるでしょうか?次の3つの中から答えを選んでください。
1「どうして痛いの?」2「病院へ行ったら?」3「薬を飲んだら?」頭でわかっていたとしても、問題に直面すると、多くの人が解決策にすぐ飛びつくという反応をしてしまいます。超速で問題を解決するためには、最初に立ち止まって原因を考えることがとても重要なのです。
4つのステップを70分で踏む

まずは、頭の中にあるモヤモヤの原因をきちんと見えるようにすること。そして、困った事柄の全体像を明らかにすることが重要です。問題の全体像を明らかにして、解決できるように問題を加工していけば、必ず問題はすべて解決できます。私自身が現場でトライ&エラーを繰り返しながら体系化し、かつソフトバンクとヤフーの研修を通じて、1500人以上に指導しながら、誰でも簡単に身に付けられるように修正を繰り返してできあがったものです。
超速で情報収集するための6つの方法

情報は、社内にある資料やインターネットから得られる情報、または、同僚・上司・先輩・他部署の社員からの情報、新聞や雑誌、書籍、過去のデータなど、様々な場所にあり、その中から価値ある情報を探す方法は、6つあります。【1】ヒアリング【2】行動観察【3】稼働分析【4】ブレーンストーミング【5】アンケート【6】問題解決ワークです。
フレームワークに振り回されるのは、時間のムダ!

世界一速く問題解決するには、フレームワークは使ってもいいけど、使うことは必須ではありません。経営に関する問題など、大きなテーマを十数人で議論するときは、あらかじめ参加者にアンケートを実施しています。どんなアンケートかというと、「〇〇(問題)をつくり出していると思われる主な原因を3つ挙げてください」とお願いしています。そして、挙がってきた原因を次ページの図のようにグループに分けてみるのです。
「ありえない仕事量」を定時に終わらせるには?

多くの人は、緊急度で判断していきますが、私は、緊急度では判断しません。重要なものというのは、少し仕事が大変だったりします。皆、後回しにしがちなのです。すると、どうなるか?重要だったものをそのままにした結果、締切日が近づき、緊急性を要するものへと変化していきます。そのため、緊急度ではなく、重要度で判断すべきなのです。できれば、効果度も一緒に記入しておき、重要度A、効果度Aのものから手を付けていけば、短時間で大きな成果を得られるようになります。
各マスに入れられる上限を決める

問題の優先順位付けで、重要度と効果度が両方高いものをグループに分け、問題構造図といった名前で、A4用紙1枚にまとめるようにしています。グループは、大きなテーマでいえば、およそ4つから5つで、その中にそれぞれ4~5個あるので、全部で15~20個前後に分けられます。その分けたグループごとに解決策を考えていきます。優先順位を決める際、マスに入れられる数の上限を決めることで、優先順位を分散させます。