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[Si新書]痛みをやわらげる科学 新装版

下地恒毅:著者

痛みの原因と予防法、そして最新治療を探る

痛みとはなにか、その本体はなにか、そしてそれを克服するにはどんな方法があるのか――これらの問題について、痛みの専門外来であるペインクリニックに勤務する著者が、科学的な実験結果や臨床研究の成果にもとづいて徹底検証する。

■目次:
第1章 痛みとはなにか
第2章 痛みは人体にとって最大の有害ストレス
第3章 代表的な痛みのメカニズムと対処法
第4章 痛みをどうケアすればよいのか

定価:1,210円(本体1,100円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2018年9月15日(土)
  • ISBN:978-4-7973-9883-0
  • サイズ:新書
  • ページ数:240
  • 付録:-
身体の痛みと心の痛みの関係

痛みは意識と深い関係があります。そして、情緒とも密接な関係があります。不安があると、痛みに過敏な状態になります。逆に、精神的緊張が取れると痛みのいき値ち(痛みを感じはじめ身体の痛みは心の痛みを誘発し、心の痛みはまた身体の痛みを引き起こする強さ)が上がり、痛みを感じにくくなります。

一次性頭痛の起こる原因

一次性頭痛としてストレスなどによって起こる緊張性頭痛は、首や後頭部の筋緊張が原因となります。クラスター頭痛や片頭痛は脳表面や目の奥にある血管が、なんらかの原因で拡張して血管周囲や脳膜の痛みの神経を刺激して、頭痛が引き起こされます。

様々な要因で引き起こされる腰痛

腰の痛みの大部分は、姿勢の悪さや過労、腰椎椎間板ヘルニアやすべり症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変形症、圧迫骨折、腰部の捻挫が原因です。腰の痛みは、これら腰部の骨格の病気のほかにも、腹部や下腹部、陰部などの部位の病気が原因である場合もあります。

ランナー膝(膝蓋大腿骨疼痛症候群)

歩いたり走ったりしているときに足を過度に動かすと、膝関節が内側にねじられ、膝蓋骨を内側に引っぱります。その一方で、大腿四頭筋は膝蓋骨を外側に引っぱります。このように相反する力がかかることで、膝蓋骨の裏側と大腿骨の末端部がすれて痛みを起こすのがランナー膝です。

リウマチ性膝関節炎

左の図は正常な関節。軟骨はクッションの役割を、関節液は潤滑油の役割をしています。それに対して右の図は、関節リウマチの関節です。炎症によって滑膜が厚くなり軟骨をおおい、骨や軟骨や靱帯が破壊されてしまっています。

慢性疼痛に対する物質的治療法

痛みをやわらげる物理的治療法の一例です。マッサージは筋肉の硬直をほぐして血流を改善する効果があり、またストレッチは関節の動きを矯正したり動きやすくしたりする効果があります。

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著者紹介

下地恒毅(しもじ こうき)
1935年(昭和10)年11月21日生まれ。平良市西里出身。麻酔学、救急医学、ペインクリニックのスペシャリスト。60年熊本大学医学部卒業後、京都大学大学院、メイヨークリニック大学院で学ぶ。宇部フロンティア大学大学院教授、新潟大学医学部名誉教授、ロンドン大学客員教授、アンステッド大学客員教授、埼玉医科大学客員教授、ペインコントロール研究所(痛みの緩和研究所) 所長などを歴任。痛みに関する幅広い分野をカバーする、現役の臨床医。

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