

「オレは、りょうしゅさまのところで おせわになってる、ゆーたっていうんだよ」
「オレ、いっぱいまほう つかえるの!? やったー!」

オレはそっと手を差し出してみる。その白いきつねモドキはオレの顔を見て、手のひらを見て……ヒョイと飛び乗ってきた。
「……きゅ」

「かろるすさまー!!」
「おう、元気だな! ユータにも村を見せてやろうと思ってな! 行くか?」

「あのね、きょう ようせいさんに あったんだよ!」
「うふふ、絵本の妖精さんが出てきてくれましたか?」
「ちがうの! ほんとに きたんだから!」
「そうですね~、妖精さんに会えてよかったですね~」

「ちるじい! よろしくおねがいします!」
『ぬしの中にある魔力、他の者が持つ魔力、そして大気に溢れる、誰の
ものでもない魔力を、『魔素』と言うんじゃ』

「ルーって呼ぶね!」
『てめー! 勝手にあだ名つけるんじゃねえ、ルーディスで構わん』
「分かった! よろしくね、ルー!」
『……この野郎……!』