
ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから
●科学的根拠に基づいた、人生が充実して幸せになる時間の使い方がわかる!
「人生には限りがある」 ――この事実を、あなたはどれほど実感しているでしょうか?
日々の忙しさに追われ、「そのうち会おう」「いつかやろう」と先延ばしにしていることはありませんか。
実はそれが、あなたの幸せや充実感を奪っているとしたら、どうしますか?
たとえば、40代前半で親と別居している人が、これから母親に会える残りの日数の平均はたった「20日」。父親に至っては「9.5日 」。
この数字は、1年に数回帰省した場合の“人生で残された親との時間 ”を表しています。
「そんなに少ないの?」と、衝撃を受けた方も多いはずです。
当たり前のように知っているはずの「人生の時間は有限である」という事実。
でも、それを本当の意味で実感し、日々の行動に反映できている人は、どれだけいるでしょうか。
忙しさに流され、「また今度」「時間ができたら」と後回しにしていることの中に、実は“今すぐやるべき大切なこと”が含まれているかもしれません。
だからこそ、ただ目の前のことに時間をかけるばかりではなく、本当に自分が満足するために、時間の使い方を見直すことが必要なのです。
では、人生の満足度が高まるような時間の使い方とは何でしょうか?
筆者はこれまで科学的な研究と自分自身の生活実感の両面から、「時間の使い方が人の幸福にどう影響するか」を探求してきました。
そこで一つの真実に辿り着きました。
それは、「タイパ(タイムパフォーマンス)」ばかり追い求めている人ほど、充実した時間を過ごした感覚が得にくい 、ということです。
「えっ、効率よく時間を使うほど人生が充実するんじゃないの?」
そう思う方も多いでしょう。確かに、短いスキマ時間にも多くのことを詰め込めば、成し遂げる事柄は増えます。
しかし、人生の幸福感や充実感を得るためには「どれだけ多くのことをやったか」よりも、大切なことがあるのです。
本書では、認知科学と時間学の観点から、限りある人生を充実させて幸福になる時間の使い方を紹介し、
それを身につける方法までお届けします 。
【目次】
序章 1年が早く感じる人は幸せになる機会を失っている――認知科学が教える「幸福になる時間の使い方」
1章 やることを「1割に減らす」――「余白」が長期記憶を作る
・長期記憶の敵「詰め込みすぎ」を解消する
・優先順位の付け方
・先に「大事なことの時間」を確保する
・同じ1時間でも「時間帯と人」によって重さが違う ……
2章 「小さな変化」をつけて取り組む――「特別な体験」が長期記憶を強める
・長期記憶の敵「ルーチン」を解消する
・同じことにも「小さな変化」をつけて取り組む
・同じことにも「小さな新しいこと」を付与して取り組む
・あえて「認知的な負荷」をかける ……
3章 過去の特別な体験に「思いを馳せる」――「反すう」が長期記憶を強める
・長期記憶の敵「振り返らない」を解消する
・「時間」をまとめない
・「意味づけ」をする ……