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なぜ私たちはいつも時間に追われるのか

出口剛司:著者

加速から抜け出し、創造性を取り戻すために。

今日一日、自分は何をやっていたのか…。
社会学理論の第一人者が、この上なくわかりやすい筆致で、現代社会の病理を「加速」というキーワードで読み解く。その先に見えてくるのは、加速的生産か、それとも創造的瞬間か? 各界絶賛の『加速する社会』監訳者、待望の初新書。タイパ疲れの現代人におくる、「時間」の見方が変わる新定番!

【目次】
はじめに

第一章 時間は社会から生まれる
・忙しすぎるこの社会で
・時間を学問するということ
・社会はいつも私たちを裏切る
・時間と社会学はなぜ相性が良いのか?
・デュルケムの宗教時間論
・生活にリズムが生まれるとき
・ヴェーバーが発見した人間の主体性
・時間管理と主体性
・時間が生み出す「鉄の檻」と自由な創造性
・ひとつの時間に支配されない
・遅刻は「自由」を与えてくれる
・いつも締め切りに追われる現代人
・タイパの正体
・現代人がタイパを求める背景
・なぜタイパは創造性を窒息させるのか
・「創造的」と「生産的」は別である

第二章 時間に追われ、人生が色あせる
――「時計時間」の誕生
・六本木と本郷
・同じ数値を刻む近代の時計時間
・イギリスでの不思議な体験
・ギデンズの「時間と空間の分離」
・オンラインで国際会議
・猫の時間、人間の時間
・近代社会は時計時間で支えられている
・日時計――自然のリズムを飼いならす
・水時計――自然から技術へ
・教会・市庁舎と機械時計――人工的なリズム
・「チクタク、チクタク」が世界を制す
・「時は金なり」はこうして生まれた
・時計時間に支配される資本主義
・標準時間の誕生
・鉄道旅行と時間
・時間と空間の完全分離
・抽象的な時間がもたらす幸福と苦悩
・生きる充足感を奪う時計時間
・時計時間は人生を虚無化させる
・抽象的な時間と加速
・加速の下で無限という夢は見られない

第三章 なぜ社会は加速するのか
・あるビジネスパーソンの苦悩から
・変容する時間構造
・社会病理としての切迫と憂鬱
・批判理論とは何か
・「マクドナルド化」する社会?
・無の支配
・効率的に他者の先を行くファスト教養
・ローザの加速理論
・加速には三つの種類がある
・第一の加速――技術的加速
・社会学者が避けたがる技術決定論
・第二の加速――社会変動の加速
・間世代的変化から世代内的変化へ
・第三の加速――生活テンポの加速
・なぜスマホばかり触ってしまうのか
・真に価値あるものより、期限を優先する空気

第四章 全力疾走しても進まない?
──加速社会のディストピア
・もっと怖い加速の社会病理
・むしろ忙しくなったコロナ禍とそれ以降
・自己駆動する「加速循環」
・やることが生まれては消えゆく現代社会
・微分化された加速循環
・資本主義を動かす原理
・急げば急ぐほど豊かになる?
・近代科学が誕生した背景
・なぜ仕事は溜まっていくのか
・加速装置としての官僚制
・加速装置から加速ブレーキへ
・「より良い未来」を想像できない若者たち
・刹那を持続的に生きるコンサル志望者
・桜咲く四月入学か、グローバルな九月入学か
・崩壊するシステムへの同期
・脱同期化する社会
・超高速静止というディストピア

第五章 創造的な瞬間のために
・加速から硬直、そして創造性へ
・たったひとりで生まれて、たったひとりで死ぬ存在
・「創造的でありたい」という欲望
・世界との関係を創造する
・愛猫との死別経験から
・日常の中の創造性
・創造性は「共鳴」から生じる
・二つのモード――創造と生産
・創造と生産が融合する瞬間
・なぜ加速は生産に傾くのか
・脱加速の領域
・創造性を回復する戦術
・時間を囲い込む陣地戦
・ルーティンを創造的なものにする
・複数の時間を生きるということ
・希望とは、絶望のあとにやってくる
・日本社会再生への道すじ
・いつも時間に追われているあなたへ

おわりに
主要参考文献

定価:1,155円(本体1,050円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2026年9月6日(日)
  • ISBN:978-4-8156-2490-3
  • サイズ:新書
  • ページ数:232
  • 付録:-

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著者紹介

著者・出口剛司

1969年、大阪府生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。フランクフルト大学社会研究所客員研究員などを経て、2020年より現職。博士(社会学)。専門は社会学理論、批判理論、社会学史。著書に『エーリッヒ・フロム――希望なき時代の希望』(新曜社)、『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』(角川文庫)、『猫社会学、はじめます――どうして猫は私たちにとって特別な存在となったのか?』(共著、筑摩書房)など、訳書にハルトムート・ローザ『加速する社会――近代における時間構造の変容』(監訳、福村出版)などがある。

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