
数の不思議
初等整数論への招待
221/493を約分できるうまいやり方、「ピタゴラスの数」の見つけ方、2進法を使ったゲーム必勝法などの身近な話題から、現代代数学の入り口まで、ガウスが「数学の女王」と呼んだ整数論の世界を、具体的な実例や計算で解説。数学の再入門に最適の1冊です。
学校で教わっている数学がきらいになった人でも、整数論のおもしろさを体験すると、そのことがきっかけになって、数学が好きになるものです。
――著者「はしがき」より
ロングセラーの『数学入門』(岩波新書)や昨年復刊した『基礎からわかる数学入門』(SBクリエイティブ)でわかりやすく魅力的な数学解説に定評のある著者が、中学生以上を対象に「整数論の初歩」について解説した書籍です。
著者は、数学が苦手と感じている人がもう一度、数学を学び直してみたいなら、この「整数論の初歩」から入るとよい、と書いています。その理由として、
★古代から現代まで、数学的なアイディアの宝庫である
★パズルや計算術とつながる部分もあり、親しみやすい
★法則を簡単な計算で、自分で予想したり確かめられる
★論理力・証明力を養ううえでも、予備知識がいらない
ということがあげられます。
そのうえで、これまで学校で教わってこなかった「数の不思議」の魅力を、具体的な計算や親しみやすい実例を示しながら、論理を飛ばさずていねいに、遠山啓ならではの名調子で解説していきます。
数学の着想や論理の組み立て方を学びたい人、もう一度数学を始めたい人に最適の1冊です。
■目次:
第1章 数のなりたち
自然数/互除法/素数/素因数分解は一通り/
第2章 いろいろな数
ピタゴラスの数/無理数/約数の和/完全数/
第3章 数のあらわし方
10進法/n進法/2進法
第4章 カレンダーのなかの数学
曜日を決める/合同式/合同式と等式/合同式の発明者、ガウス
第5章 合同式の威力
何で割り切れるか/オイラーの関数/百五間算
第6章 抽象代数学への入り口
循環小数/ガロアの生涯/体/原始根