著者紹介
我が国で最も有名な物理学者の一人、リチャード・ファインマンの書簡集です。若き研究者の時代から晩年までの手紙が年代順に掲載されているので、もうひとつのファインマン自伝(『ご冗談でしょう、ファインマンさん』)として読むこともできます。手紙の相手は、両親や妻、熱心なファンや学生、世界的な科学者(ジェームズ・ワトソン、フランシス・クリック、スティーヴン・ウルフラム)など、多岐にわたっています。 若くしてなくなった妻アーリーンとのやりとりは優れた恋愛小説のような感動があります。これまでの本ではあまりふれられなかった政治や、原子爆弾への思いも率直に語っています。将来を案ずる学生や、子どもの教育に悩む父親には、誠実で真摯なメッセージを送っています。ファインマン一流のユーモアも随所にあふれ、最後まで読者を飽きさせません。世代を越えた、すべての読者に手にとっていただきたい1冊です。