
Kindleショック
インタークラウド時代の夜明け
電子書籍元年の象徴として注目されるキンドルだが、その破壊力は出版業界にとどまらずインターネット全体に及ぶものである。キンドルやiPadといった通信機能を端末に内蔵した「デバイス」が、コンテンツの流通構造を大きく変化させ、PCでの利用を前提とした既存のインターネットのあり方をドラスティックに変えてしまおうとしている。
2010年。グーグル=FREEカルチャーという現在のパラダイムが、大きく揺らごうとしている。はたしてこれは革命なのか、それとも……? コンテンツ業界のエキスパートとして知られる異色の経済官僚が読み解く「ポストFREE=グーグル革命後のウェブの未来」。
【目次】
第一章 キンドルの出版革命
第二章 「デバイス」がインターネットの常識を変える
第三章 デバイス=蔵独活生態系~インターネットへの反革命
第四章 フリー(無料)文化の終焉~ハイブリッド文化経済
第五章 ポストグーグルの再革命へ向けて
■著者:
さかい・まさよし 経済産業省国際戦略情報分析官(情報産業)。1968年東京都生まれ。1993年に東京大学法学部を卒業し、通商産業省入省。経済産業省メディアコンテンツ課課長補佐、東京国際映画祭事務局長、経済産業省商務情報政策局プラットフォーム政策室課長補佐などを歴任後、早稲田大学大学院国際情報通信研究科客員准教授を経て現職。専門分野はコンテンツ産業理論。アジアの海賊版事情、アイドル、マンガ、コンピュータ技術などにも造詣が深い。著書に『テレビ進化論』(講談社現代新書)