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心が折れそうなビジネスマンが読む本

中森 勇人:著者 / 吉岡俊介(シニア産業カウンセラー):監修

景気が低迷し、ビジネスマンを取り巻く状況はどんどん過酷になっている。コスト削減のためのリストラ、人員削減で一人何役もこなさなければならず、過酷な労働環境が目の前に広がる状況だ。一方、職場での人間関係は希薄になっていき、職場でのいじめやパワハラ、セクハラなどの問題がマスコミで取り上げられることも少なくない。転職をしようにも雇用環境は悪化しており、悪環境に耐えかねて辞めてしてしまうと自分はもとより、家族まで路頭に迷わせることになる。
このような状況下、ビジネスマンは常に過大なストレスに晒され、あらゆる職場で「心が折れそうな人」が増えている。本書は、上司や同僚、家族などになかなか相談もできずに、一人でもがき苦しんでいる心が折れそうなビジネスマンたちが心の拠り所とし、また解決策を見いだせる本である。同じような境遇にあった著者(+監修者=専門家)による実体験を下敷きとした指南が、実によく効く。

心の病のデータ:
日本でうつ病の治療を受けている人は100万人を超え、生涯で15人に1人がかかる国民病となっている。うつ病の患者数はこの10年間で2.4倍に急増。某大手事務機器メーカーでは、従業員約1万2000人中、心の病による年間休職者数が70人(0.6%)を超え、2か月以上の長期休職者も30人を超えている。多くはうつ病であり、10年前までは年間数人程度だったのが、10年前から急増したという。
厚生労働省の調査でも、うつ病など気分障害の患者は、10年前から急増しており、「連続1か月以上休業・退職した労働者」の割合は全従業員数に対して7.6%にも達する。およそ10人に1人が心の病で休業・退職に追い込まれており、程度の差があれ国内のほぼ全ての会社に該当者がいる。その一歩手前のうつ病予備軍も、10人に1人という高い割合とされる。

【目次】
第1章 心が折れそうな人が知っておくべきこと
無理をして元気な自分を演じるのはもうやめよう
心の折れるスイッチを自分で押さないようにしよう
「4月」と「10月」は注意しよう
「昇進」や「出世」も注意しよう
やり遂げず中途半端でも大丈夫
キツイ言葉は軽く受け流そう
頑張らない無理しない「ガス抜き」の習慣を
隣のうつ病患者を人ごとにしない

第2章 職場でストレスをためないヒント
職場の嫌なヤツは嫌うのではなく役立ててナンボ
ストレスのコップをあふれさせないようにしよう
仕事の「責任」と「期待」は比例していない
同僚や上司の悪口は言わないようにしよう
ビジネスマンのバイブル(就業規則)を読んでおこう
長いスパンで考えれば左遷も幸せへの入り口
ランチタイムは貴重な情報源
出張みやげでさりげない交流を持とう
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら見るだけに
現状維持の美学を持てばラクになる
サービスはしても残業はしない

第3章 会社の外に踏み出してみよう
スーツの下で武器を磨こう
会社にいながら社外とのパイプで身を守ろう
ビジネスマンの社外デビュー法
社外用にオリジナルの名刺をつくろう
大人の寄り道と買い食いのすすめ
早起きは三文どころか100万円の得
コカ・コーラの赤い椅子の暗示
株よりFXより隠れ家に投資する
目覚まし時計をかけない朝、腕時計をしない1日
スキマにあるスイッチを見つける

第4章 ストイックからしなやかへシフトしよう
しなやかに、したたかに、おだやかに
仕事をしない仕事術
見ざる言わざる、でも聞く
お金は貯めても愚痴はためない
隠れて泣けば気分スッキリしよう
負けず嫌いこそ負けたフリをしよう
ウソとハッタリの違いを知って得しよう
心のマスクをするとき外すとき

第5章 トラブルに負けない心の筋トレ
バーチャル転職で自分の市場価値を知っておこう
いざというときの駆け込み寺を知っておこう
セカンドオピニオンでベストカウンセラーを捜そう
人の相談に乗ろう
眼からウロコの法テラス
家族の愛情はお金では買えない
近くの親戚より遠くの他人

第6章 うつを知ってうつを予防
長く付き合うやっかいな病
15人に1人がうつになる?
「なにかおかしい」と感じたら
「人は3割しか人の言うことを聞いていない」ことを知っておこう
抗ウツ薬は折れた心に効くクスリ

■著者:中森勇人
1964年神戸市生まれ。“体験型”労働問題ジャーナリスト。大阪電気通信大学工学部卒。入社10年目に突然、大手金属メーカーの子会社からリストラを宣告されるが拒否。500日に及ぶ闘いの末、全面撤回を得る。01年に自らの体験をまとめたリストラ対策本『辞めてはいけない』(岩波書店)を出版。以後勤務の傍ら本格的な執筆活動、ラジオやTVのレギュラー出演をはじめる。2005年に抑うつ状態になり退社。独立し活動を続けるが、2008年にうつ病の宣告を受ける。治療を続けながら働き方とうつ病の関係を研究。労働コンサルタントとして「うつ病にならない働き方」を提唱している。
監修者:吉岡俊介
1954年生まれ。シニア産業カウンセラー、キャリア・コンサルタント。77年慶應義塾大学法学部卒、東京海上火災保険入社。災害被災者の心のケアや民事紛争を中心とする損害サービス部門に約20年従事し、2001年に早期退職。その後、大阪市の市民団体、メンズセンターのスタッフになり男性学、男女共同参画、フェミニズムなどを学びながら男性の悩み相談に関わる。2004年に大阪市の「男性の悩みのための相談」スタッフになり、翌年メンズセンターを離れたのち、近畿を中心とする地方自治体の男性相談専任カウンセラーとしての活動に携わるようになる。2007年に「オフィスよしおか」を設立し、個人でもカウンセリング・ルームを開業。男女を問わず心のサポートを提供している。著書に『男の電話相談』(共著 かもがわ出版)など。

定価:803円(本体730円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2010年5月17日(月)
  • ISBN:978-4-7973-5975-6
  • サイズ:新書
  • ページ数:208
  • 付録:-

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