
不動産投資の魅力のみならず、様々なリスクも書いています。本書を読むことで不動産投資を避けて別の方法を考える人がいれば、それも本書をお買い下さったことの価値になるものと思います。本書を通して、1人でも多くの人が融資を利用した不動産投資や会社経営に詳しくなり、今後の資産運用・資産形成や事業運営の参考になれば、著者としてこの上ない幸せです。

日本の不動産業界では鉄筋コンクリート造のマンションは建築後40~50年で価値がゼロと評価されますので、築後20年の物件を買って25年間で減価償却計算すると、毎年4%(25分の1)ずつ物件価格が下がる計算になります。表面利回り10%のマンションは営業費用を差し引いた純利回り8%程度になるのが一般的です。

①の原価法とは、土地を「単価×面積」、建物を「建物単価(新築時の単価)×面積×現価率(経年減価分を除いた現在の価値残存率)で計算し、両者を足し合わせて評価する方法です。この原価法により求められた価格を「積算価格」といいます。

たまに低利回りでもピンとくる物件に出合うことがあります。それは、「ここで利回り10%未満では買う人はいないだろうな。でも土地の価値は高いから欲しいな」と思える物件です。その手の物件を見つけると、相場の利回りで、つまり収益価格で不動産価格を算出して、指値の買付申込をします。

買うときと売るときの評価法を変えます。購入は、収益価格2億4000万円で仕入れ、売却は…購入は収益還元法で一棟まるごと、売却は取引事例比較法を使って区分ごとに売ってゆけば、売却益を得られます。

個人向けアパートローンを利用できる場合を除いて、他の金融機関では、「まずは保証協会付きから」と言われるのが通常です。ですから、高額な購入案件以外の実績作りとして、保証協会付き融資を利用することをお勧めします。