東京レスタウロ 歴史を活かす建築再生
建築・まちづくりの専門家で、イタリア世界遺産も手がけた修復家が、”古さと新しさが共存する”東京のお洒落なレトロスポット50箇所を紹介。オールカラーで贈るまったく新しい東京ガイド。
かつて、「懐かしさ」をキーワードにレトロブームが世間をにぎわした頃、まちには”造り物”の古さがあふれました。しかし、その影で、本物の歴史的価値のある建物がいくつも消えていきました。
「レスタウロ」とはイタリア語で「修復」。都市・建築・美術の分野で、「歴史的な価値を損なわずに再生する」行為を意味します。東京には、レスタウロで蘇った建築空間の事例は多数あります。
明治・大正の洋風建築、駅舎、アール・デコの美術館、洋館レストラン、古民家カフェ、廃校活用のギャラリーやホテル、団地や木賃アパートの再生、名門大学のキャンパス、ヴィンテージマンション、運河沿いの倉庫、街並み保存、レトロ商店街、路地や横丁・・・・・・。いずれも、「新旧対比」が不思議な魅力を醸し出す、癒しのスポットです。
本書では、数ある東京の”レスタウロ物件”の中から50を厳選し、カラー写真とともに紹介していきます。
はじめに–レスタウロとは何か?
第1章:大胆にコンバージョン
第2章:身近な建物を蘇らせる
第3章:和の伝統を守り・活かす
第4章:歴史的意匠を継承する
第5章:テクノロジーで美を支える
■著者:民岡順朗(たみおか・じゅんろう)
1963年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科を卒業、大手設計事務所で建築プロジェクトを経験後、都市計画・まちづくりに転向。1998年にイタリア渡航、文化財修復を修めラツィオ州よりディプロマ取得。ローマ、シエナを拠点にUNESCO世界遺産を含む修復を経験。現在、東京都市大学で客員准教授を務めるほか、横浜国立大学、星美学園短期大学などでイタリア文化に関する講義・講演実績多数。一級建築士、技術士(建設部門:都市及び地方計画)、邸園(歴史的建造物)保全活用推進員(神奈川県)。著書に『「絵になる」まちをつくる―イタリアに学ぶ都市再生』(NHK生活人新書)、『イタリア映画BEST50』(近代映画社)がある。