あまり知られていない人間ドラマ

一般の宇宙本が頻繁に取り上げる宇宙飛行士や政治家や起業家は、本書では脇役です。アームストロングも、ケネディー大統領も、イーロン・マスクも、登場はしますがあくまで脇役。代わって主役を演じるのは、著者と同じような技術者や、科学者、SF作家、そして宇宙へのイマジネーションに取り憑かれた無名の大衆です。
もしかしたら日本ではほとんど知られていない人物ばかりかもしれません。しかし彼ら、彼女らこそが、人類の宇宙への歩みを前へと進めてきた原動力です。宇宙開発の現場の、泥臭くも熱い人間ドラマを描きます。
理系知識なしにわかる宇宙開発の真髄

宇宙の科学についての本は今までにも多くありましたが、技術を一般向けにわかりやすく説明した本は限られていました。本書は図や写真を豊富に使い、宇宙探査の根幹を成す技術が、理系の知識がない方にもわかるように書かれています。現役で宇宙開発の最前線に携わる技術者だからこそ書けた、深みとわかりやすさを両立させた技術解説です。
『宇宙兄弟』のアシスタントの漫画家が描いた図解には、おなじみのアポちゃんが登場して解説を手伝ってくれています。
竹内薫(サイエンス作家)

没入してしまう魔法の本
小山宙哉(宇宙兄弟作者)

宇宙への圧倒的な愛情を感じます。
これだけの豊富な宇宙の知識を一人の人から、しかもわかりやすく得られる贅沢な一冊です。
山崎直子(宇宙飛行士)

どれだけこの本に、いや宇宙と宇宙に携わる人たちに愛情を注いでいるのだろう、生き生きとした描写から熱い思いが伝わってきました。
佐渡島庸平(編集者・コルク代表取締役社長)

普通の研究者と違い、小野さんは情報だけでなく、伝え方にも、同じだけの工夫をしている。小野さんの原稿の推敲は、もはや小説家と同じだった。フィクションと同じように興奮しながら読めるノンフィクションが出来上がった!
著者:NASA技術者・作家 小野 雅裕

僕がこの本で一番描きたかったのは、宇宙飛行士や政治家や起業家のヒロイズムではなく、単なる宇宙開発の歴史技術解説でもなく、僕や、あなたや、人類すべてを未来へと運ぶ「イメージネーション」という名の船です。
読者と共に創った一冊

本書は一般の書籍とはだいぶ異なる形で創られました。執筆段階より一般の読者の方に原稿をお渡しして「読書会」を4度開催し、感想やフィードバックをもらいながら原稿を仕上げて行きました。本文や図表の随所に読者目線のアイデアが散りばめられています。